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123号 WINTER 目次を見る

私の臨床

クラウン・ブリッジ オートリムーバー

前田明浩

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目 次

患者様に与える不快感も少なく、迅速に補綴物を撤去。
インプラントや骨組織、支台歯への損傷も軽減。

開院は平成5年ですから、診療を始めて14年になります。8年ほど前ですが、山﨑長郎先生が顧問をなさっている、スタディグループのS.J.C.D.(Society of Japan Clinical Dentistry) に入会させていただきました。
入会したいと思ったきっかけは、インターディシプリナリ ー・アプローチというコンセプトを知ったことです。つまり、インプラント、矯正、審美、歯周、外科、補綴などの治療技術を高度なレベルで専門的に連携させ、一口腔単位を総合的に捉えながら治療ゴールをめざすというアプローチですね。この包括的歯科診療の明確なコンセプトに、とても感銘を受けたのです。同時に、インターディシプリナリー・アプローチこそ、修復治療を成功させるための基本であり、原点であることを確信できるようになりました。
以来、定例会やミーティングに参加して、最新の歯科治療技術を習得しながら、「トータル・デンタル・ケア」を診療方針に掲げて、研鑽を重ねてきました。
アントジール社のクラウン・ブリッジ オートリムーバーを使うきっかけは、『SICD NEWS LETTER』に載っていた記事を見て、興味を覚えたからです。
開院以来、当クリニックは、インプラント治療が多く、この1年間だけでも、埋入本数328本、13年間の累計では1,523本の植立実績があります。当然、リムーバーの使用頻度も高く、以前から手動式リムーバーの限界を感じていました。それは、インプラント上部構造を撤去する際に、強い力が加わると、オッセオインテグレーションを破壊するというリスクがあることです。それだけに、オートマチックタイプのリムーバーの必要性を常々感じていたのです。
現在、クラウン・ブリッジ オートリムーバーは、インプラント上部構造や、審美補綴物等を装着する前のプロビジョナルを用いる場合や、インプラント上部構造や、仮着してある補綴物の着脱等に活用しています。

症例1
  • 図1a
    図1a 現在当院では年間300症例程度のインプラント治療を実施していますが、インプラント上部構造装着前のプロビジョナルを用いる場合やインプラント上部構造の着脱にオートリムーバーを使用しています。
  • 図1b
    図1b オートリムーバーは手用のリムーバーに比べて、弱い力から強い力の振動が段階的に選択、調整可能でインプラントの骨結合破壊の心配がないため安心して使用できます。
  • 図1c
    図1c このようにポーセレンカバーされた補綴物を外す際にも、振動を継続的に加えていくためポーセレンを破折することはありません。手用リムーバーに比べ歯肉の損傷もありません。
症例2
  • 図2a
    図2a 左下のブリッジは4番が生活歯のために、冷温痛等の不快症状や、咬合の確認のために仮着して様子を見ていました。
  • 図2b
    図2b 補綴がブリッジであれば、オートリムーバーはポンティックの連結部分にワイヤーを通すことにより、簡単に外すことができます。その際の患者様に与える不快感を和らげることができます。
  • 図2c
    図2c 従来、手用のリムーバーを使用する際に必要だったノブやノッチを付与する必要がないため、患者様への舌感の悪化を与えずにすることは隠れた利点だと思います。また外す際の歯肉の損傷もほとんどありません。

たとえば、症例1のように、ポーセレンカバーされた補綴物を外す時も連続的に振動を付加していくので、の破折はまず見られません。つまり、常に一定の牽引運動が持続するため、補綴物の撤去がスムーズに行えるだけでなく、作業時間も短縮でき、インプラントや骨組織への損傷を軽減させるのです。
また、症例2のようなブリッジなら、ポンティックの連結部分にワイヤーを通すだけで、簡単に外すことができます。ノブやノッチを付与しなくていいので、患者様への不快感も緩和されていると思います。
熊本県熊本市 医療法人エステティックライン パール歯科・矯正歯科クリニック この1年間だけでも、埋入本数328本、13年間の累計では1,523本の植立実績があります。当然、リムーバーの使用頻度も高く、以前から手動式リムーバーの限界を感じていました。それは、インプラント上部構造を撤去する際に、強い力が加わると、オッセオインテグレーションを破壊するというリスクがあることです。それだけに、オートマチックタイプのリムーバーの必要性を常々感じていたのです。
現在、クラウン・ブリッジ オートリムーバーは、インプラント上部構造や、審美補綴物等を装着する前のプロビジョナルを用いる場合や、インプラント上部構造や、仮着してある補綴物の着脱等に活用しています。
たとえば、症例1のように、ポーセレンカバーされた補綴物を外す時も連続的に振動を付加していくので、の破折はまず見られません。つまり、常に一定の牽引運動が持続するため、補綴物の撤去がスムーズに行えるだけでなく、作業時間も短縮でき、インプラントや骨組織への損傷を軽減させるのです。
また、症例2のようなブリッジなら、ポンティックの連結部分にワイヤーを通すだけで、簡単に外すことができます。ノブやノッチを付与しなくていいので、患者様への不快感も緩和されていると思います。
さらに、症例3のように、クラウン・ブリッジ オートリムーバーで連結を垂直に除去できますから、残存歯の歯根破折も防げるので安心ですね。
オートリムーバーを使ってからは、患者様が感じる振動の負荷や衝撃が減少したので、患者様だけでなく、私たち術者サイドもストレスを感じにくくなったのは事実です。
さまざまな選択肢を提案して、患者様に最適な治療をしてさしあげる、それが私の信念です。
インターディシプリナリー・アプローチを踏まえながら、即日インプラントから、無切開インプラント、マグネット義歯、4本のインプラントを埋入するオールオンフォー、スプリットコントロールやOAMを利用したインプラントなど、さまざまなアプローチを試行錯誤できるのも、このオートリームーバーのお蔭だと感謝しています。

症例3
  • 図3a
    図3a 私が実際にオートリムーバーを使用している所です。オートリムーバーはエンジンに装着して使いますが、このようにシャンクがかなり長くなります。脇を締め、患者様の顔をしっかりと保持して使用することをお勧めします。
  • 図3b
    図3b 連結冠が装着されていましたが、一方の歯がカリエスのため保存不可能と判断しました。このような症例でも連結したまま外せるので抜歯後にTEKとして使用することができます。
  • 図3c
    図3c 抜歯部分にはインプラントを植立しました。オートリムーバーで連結を垂直に除去できることで、残存歯の歯根破折も防止できます。
症例4
  • 図4a
    図4a 321にアドヒージョンブリッジが装着してありましたが、2次カリエスになっていました。患者様はこれ以上の残存歯への侵襲を嫌い、インプ ラントを希望しました。オートリムーバーで破損 しないようブリッジを除去しました。
  • 図4b
    図4b 欠損部にはインプラントの埋入と同時に、唇側に結合織移植を施し、唇側の歯肉ボリュームの増量を図りました。
  • 図4c
    図4c インプラント植立後のオッセオインテグレーション期間には、破損せずに外したブリッジを仮着し使用しています。

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