7年前の開業の時、私の脳裏に浮かんでいたクリニックのイメージは、一見して「歯医者らしくない」というよりも、「レストランかカフェ」のような「ふだん着で気楽に立ち寄れるご近所のクリニック」のような感じでした。実際、オープンしてみて分かりましたが、子どもたちから高齢者の方まで、世代や性別にかかわりなく、多くの患者さんと家族のようなおつき合いができて、とても満足しています。
昨年、患者さんにもっとゆったりと過ごしていただこうと、敷地の北側に診療棟を増築しました。ドクターも1名補充して3人体制とし、チェアも従来のスピリット5台に、新たにシグノ タイプG40を2台追加して、現在７台で診療を行っています。
私の診療スタンスは、う蝕や歯周病は生活習慣病であるという観点に立って、正しい食生活と予防意識を育てつつ、罹患しにくい口腔環境を創りながら、プロケアとセルフケアのメンテナンスを継続することによって、すべての患者さんに生涯の健康を楽しんでいただくことに軸足を置いています。そのためには、クリニックが常にイノベーションと創意工夫を繰り返し、成長し続けていることが大切だと考えています。
言いかえれば、スタッフともども日々研鑽を重ねて、院長である私のセルフイメージを高めることです。それが、すべての患者さんに好イメージをもっていただけるとともに、診療への信頼を深めていただけることにつながると確信しています。
要は何ごとも率先して先駆け、チャレンジを惜しまず、自分で確かめるという気持ちを持続するように心がけています。診療のデジタル化を支えてくれる最先端の機器類の導入についても、同じ考えで対処しているのは、いうまでもありません。
さて、歯科用根管長測定器のルートZXは、開業以来ずっと愛用してきましたが、診療環境の拡充に伴って、使用頻度が高まってきたために、もう1台ほしい！と考えていた矢先に、デンタルショーでルートZX miniの新発売を知り、早速取り寄せました。
肉眼で確認することができない状況下で、根管形成、根管清掃、根管充塡を行わなければならない歯内療法は、精密さと根気が要求されますから、臨床家にとっては処置が困難で容易に克服できるスキルでないことは確かです。しかしながら、先進の歯科用根管長測定器のアシストによって、その労を低減させることは十分に可能であることは、日々実感しているところです。
ルートZX miniの魅力は、先に発売されていたルートZXの高機能を継承しつつ、より使いやすさを追求していることに尽きるでしょう。周知のように、歯内治療においては、根尖孔の位置を正確に測定しなければなりません。ルートZX miniは、この根尖孔の位置を高精度・正確にしかもスピーディに検出できる、極めて安定した機能と品質を備えています。しかも、根管内の条件、たとえば根管内に出血や排膿など、根尖病変があったとしても根管長を測定できるので、安心して使うことができるのです。
ルートZX miniの電気的根管長測定法は、電極を根管部へ挿入しながら、二つの異なった周波数で求めたインピーダンスの値の差や比から、根尖孔の位置を決定する原理です。根管内の環境に影響を受けにくく、正確な測定ができることが、ルートZX miniの優れた特長だと思います。
また、ファイルの動きとメーター表示がリアルタイムに連動しているので、ファイルの位置をいつでも正確に確認できることや、根管長測定中でも、ファイルの位置をメモリーさせることができるメモリーバー（任意設定バー）など、新しい機能が付加されたのもいいですね。
その他、ルートZXとの比較で言うなら、液晶カラーディスプレイの表示がさらに見やすくなったこと、ブリッジ型でコンパクトなデザインなので安定性があります。ストラップの取り付け口があるので落下によるルートZX miniの破損を事前に防ぐこともできそうですね。
適切な根管治療に欠かせない根管長測定を正確にスピーディにこなしてくれるルートZX miniのおかげで、チェアサイドでの時間短縮、患者さんの負担の低減にも一役かってくれているのは、ありがたいことです。