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第4回(111号)

敬語を使えるようになりたい ~パート3~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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ASSISTANT ASSISTANT

きれいな日本語を話したくないですか?~パート3~相手の気持ちを少しでも満足させるお断りの仕方

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

前回は“相手を動かす”ことの多い皆さんが少しでも気持ちよく患者さんに動いてもらうようにする言葉がけについてお話ししましたね。
“~して下さい。”という指示・命令と違い、“~して頂けますか”という依頼形の言い方にすると、相手の反応はどうでしたか?
“はい。分かりました。”“ええ、いいですよ。”と気持ちよく応じてくれませんでしたか。
そして、皆さんは、その返事に対して、“ありがとうございます。”“よろしくお願いします。”“恐れ入ります。”という言葉が出やすくなるのではないでしょうか。
なんでもないことのようですが、たったこれだけのことでも、会話のキャッチボールができたのです。
患者さんとの会話が難しいという方も、まずはこういう遣り取りから始めてみてはいかがですか。
さて、今回は、よく皆さんから質問のある『お断りするときや、分からないときどうお伝えすればいいですか』という場合の話し方についてお話したいと思います。
例えば、“予約のない患者さんをお断りしなくてはならないとき”“希望日の予約が取れないとき”“院長不在で電話に出られないとき”“治療の金額を聞かれて分からないとき”など、日常このような状況に出くわすことは多いのではないでしょうか。
“今日は、無理です。”“予約がいっぱいで取れません。”“居ません”“わかりません。”というお断りや否定では直接過ぎるので、よくない表現です。
そこで、一般的には、その言葉を否定ではなく肯定の表現に、また直接ではなく間接的に和らげる表現にするとよいといわれます。
例えば
・“申し訳ありませんが、本日は院長が会議のため、治療の受付は5時までです。”
・“申し訳ありませんが、この日は予約がふさがっております。”
・“申し訳ありませんが、只今、院長は外出しております。”
・“申し訳ありませんが、分かりかねます。”
となり、敬語の言葉遣いテストというのなら、ここまでで満点です。
でも、ちょっと、考えてみてください。このように丁寧に言うことで、患者さんの希望は叶えられたのでしょうか。
傷つきはしないものの、予約を取れなかった、用があったのに、話せなかった、ということも事実で、それでは不満が残りますね。
そこで、上記のような対応を“消極的な対応”とすると、“より積極的な対応”はどうすればよいのでしょうか。
それは、『代案をする、提案する』ということです。
・“申し訳ありません。本日は無理ですが、明日の朝一番ではいかがでしょうか。”
・“申し訳ありません。院長は学会で出張しますので、5時までにお越しいただければ診させていただくことはできます。”
・“申し訳ありません。あいにく、院長は外出しておりますが、5時には戻る予定です。戻りましたら、こちらからお電話いたしましょうか。”(または、“よろしければ、ご伝言を伺いましょうか。”)
・“詳しいことは分かりかねますので、お調べしてお電話します。”
といった対応です。
断るだけだと、相手の気持ちとしては“じゃ、どうすればいいの?”と途方にくれてしまいます。たとえすぐに応じることができなくとも、他の方法で希望に添う代案なり提案が欲しいのです。
皆さんもこんな経験はありませんか。お店に行って、欲しかったものを買おうと思ったら、商品がなかった。店員に聞いてみると、“申し訳ありません、たった今売り切れました。”と丁寧に言われても、ショックはショックですよね。
そこで、
・“ここにはありませんが、他の支店にあるか聞いてみましょうか。”・“メーカーに在庫を問い合わせてみましょうか。”
・“入荷次第、ご連絡しましょうか。”
・“少し色は薄めですが、それなら入ってくると思いますよ。”
という提案をしてくれると、再び希望がつながった!!って気がしますよね。そこまでしてくれての無かった時には諦めも付くかもしれませんね。
“ありません。”“できません。”“知りません。”“居ません”という対応では、とても消極的で、ある意味、《無責任な対応》といわれても仕方ないのです。
何とか相手の希望に添える方法はないだろうか、と考え、提案してみることが大切なのです。

クッション言葉※肯定文代案・提案満足度(※申し訳ありません。など)

たとえ、意にそぐわなくとも、少しでもきもちの満足は持って頂けるかもしれません。
何とか、近づくよう、努力をしてみましょう。何とかできないかと、代案を考えることこそが、《積極的な対応》であり、《患者満足》につながるのです。

さて、次回は、コミュニケーションの潤滑油としての 《挨拶》について考えたいと思います。

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