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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第16回(123号)
どちらがメインですか? ~プロ意識~
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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94す。かといって真っ赤は毒々しく、感情の激しさを表し、感情を高ぶらせる作用があるとも言われ、場違いな気がします。ではノーメイクやヌーディなベージュ系の色はどうでしょう。肌の色とほとんど変わらず、病み上がりのような不健康な印象を与えてしまってはマイナスのイメージになってしまいます。実際、職員の中には土気色の唇で笑顔もないために病気なのかしらと心配してしまうような方もいらっしゃいました。最近は歯科医院だけでなく、病院のナースウェアでも白から薄いピンクや水色といった淡いやさしい色を採用しているところも出てきているそうです。やはりこれも色の心理効果を意識してのことでしょう。同じ人間でも化粧の仕方や服装、そして、その色によってまるで印象が変わることはお分かりだと思います。皆さんなら病院に行った際、初めて会ったときに、明るく優しい印象のナースと不健康そうな印象のナースだったら、どちらに安心感を持つでしょうか?もちろん“ピンク”と一言で言っても濃いピンクから淡いピンク、オレンジがかったサーモンピンク、ピンクがかったオレンジもあります。ベージュピンク、アイスピンク、また赤に近いピンクと数え切れないほどあります。私たちの顔色も人によって様々なので同じ色をつけることは無理です。自身の顔色が明るく健康的に見え、肌の色になじむ色を選べばよいのです。そしてもう一つ。髪形についてはこんな反対意見が出されたそうです。株式会社ロングアイランド接遇マナー講師伊藤純子どちらがメインですか?~プロ意識~現在、私はある病院のCS(患者満足度)向上プロジェクトに関わらせていただいています。その病院は300名近くの職員を抱える大所帯ですから、全体レベルをあげるのも一苦労です。各科ごとにマナーインストラクターとリーダーを選出し、その方々を中心にCS活動を広めていきます。マナーインストラクターには職員の手本となり、指導ができるように研修を進めています。また、リーダーには患者様とのコミュニケーションやマナー面においての改善点の発見やレベルチェックの仕方、取り組むべき課題を決める勉強会を開いています。今年の2回目の研修会のときのことです。1回目に職員の身だしなみ向上に取り組むことになったのですが、私が一方的に「こうあるべき」と決め付けるのでは自発的に取り組むことができないので、身だしなみの基準をスタッフの方々に考えていただくことにしました。一般的な接客業の基準を持ち帰っていただき、医療の現場ではどうあるべきかを各職場で話し合っていただくことになりました。話し合いについての報告の場において2つの項目に関して反対意見が報告されました。口紅の色と髪形についてです。口紅の色はあまりけばけばしい色は避けるということに関しては全員が賛成でしたが、どのような色かということについては「ピンク系の明るい色」ということに反対意見が出たそうです。「ピンクだと口が浮いて見えるから嫌」「普段化粧をしないから嫌」「つけたことのない色だから抵抗がある」という理由です。一般的になぜ人と接する仕事においてピンク系の色がよいと言われるかというと、色が持つ心理的効果からです。ダークな色は妖艶なイメージ、きつい、怖い印象や不健康な印象を与えがちで95一般的な接客業の基準では「長い髪はしっかりと後ろでまとめ、サイドの髪は垂れてこないようにきっちりとピンなどで留めてすっきりとまとめる」というものです。ところが、ある若いスタッフは「ピンで留めると帰るときに跡形がつくから困る」というのです。仕事帰りに人と会ったり、遊びに行ったりすることを意識してのことでしょう。正社員かアルバイトかということは関係なく、看護師という資格を持ち、看護師の制服を着用し、そのお仕事によってお給料をいただいているのではないでしょうか。もちろん仕事以外の楽しみを持つことはとてもいいことです。ONとOFFを切り分けてメリハリのある生活をすることはストレス解消に良いといわれます。でもどちらがメインなのでしょうか。仕事があってこそアフターファイブも楽しめるはずです。なにより、患者様は○○病院の看護師、すなわちプロと見ているわけですし、病院側もその役割を果たしてくれることに対してお給料を支払っています。どっちつかずの中途半端な印象でいるより、「なりきる」「演じる」ということもプロだと思うのです。そして仕事が終わったら、お化粧も変え、髪も解いて気分とともにイメージも変えればよいのです。髪は跡形をとるスプレーだってあります。その気になれば、そんなに難しいことではないと思うのです。先日、歯科スタッフの患者接遇セミナーでも同じような意見や質問が出されました。その方たちには、なぜ前髪が目にかかってはいけないのか(表情が暗く見える、手でかき上げることが多くなり不潔である)、なぜ後ろで髪をまとめ、サイドの髪も垂らさず止めるべきなのか(髪が落ちる機会が増えてしまい不衛生である、ナースキャップがないならなおさら気をつけるべきである)ということについて理由を説明し、最後に「どちらがメインですか?」と質問したところ納得をしていただきました。最近のセミナーでは仕事に対する取り組みがまじめな方が多く、とても喜こんでいるのですが、さらに印象面においてもプロ意識を表現できるようになっていただけるように願っています。アシスタント講座