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第26回(133号)

新人がやってきます!!先輩になります!!―リーダーの心構え―

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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新人がやってきます!!先輩になります!!―リーダーの心構え―

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

梅雨入りのニュースが気になるこのごろ、皆さんの医院にも新しいスタッフが入ってきたのではないでしょうか。必ずしも春に新人が入ってくるとは限りませんが、新人が入ってきたとなると、当然のことながら指導が必要になりますね。少人数の医院であったとしても、以前からいるスタッフが新人の指導をすることになり、複数名スタッフがいらっしゃる医院では、リーダー的な方がその指導を任されることになるはずです。
私が一年に数回行っている患者接遇セミナーには、新人の方が参加されることが多いのですが、院長からリーダー的な存在になることを期待されて、ベテランのスタッフが参加されることも少なくありません。もちろん、リーダー研修ではありませんから、内容は基本的なことですが、医療の場で働くものとしての考え方や患者さんに対するマインドを理解し、その上で患者さんに対する接し方、マナーを身に付けて、すぐに役立てることができるように構成しています。このような内容であっても、新人はもちろん、ベテランの方も熱心に受講されています。
ベテランの方が研修の最後に書くレポートを見てみますと、「自分ではできていると思っていたことが違っていたことがわかった」「合っているのかどうかわからないままでいたことが間違っていないと判り自信を持つことができた」というように、今まで以上に胸を張って仕事をしていただけそうなコメントが多く、頼もしく感じました。
歯科医院のように少人数が働く職場では、集合研修のような講義もありませんから、主な学びの場としては、先輩の姿をみて学ぶことが多いはずです。つまり率先垂範(見本となること)できることがリーダーには求められるのです。にもかかわらずベテランともなれば、指摘してくれる人もいなくなり、不安も多いはずなので、このような機会に自分を振り返ってみたり、点検することにより、自信をつけることは有意義なことだと思います。
さて、どんな職場においても人数が多くなれば当然のようにリーダーが必要とされます。リーダーに求められる適正は職種や職場によって異なるとは思いますが、共通して求められることは人間性ではないでしょうか。厳格なリーダーでスタッフから恐れられていたとしても、人間的な魅力があれば、スタッフから慕われ、尊敬されるはずです。
一方、技術は一流でも人間的魅力に欠ける人がリーダーとなると、技術面では尊敬されたとしても、それ以外の面では、いつの間にか敬遠される存在となり、本当の意味でスタッフをまとめて、引っ張っていくことは不可能でしょう。組織の長である院長が求めていることも、仕事面の指導はもちろんのことですが、複数メンバーを上手くまとめ、医院内を活性化させることに他ならないはずです。
医院内を活性化するために必要なこととは、“医院内コミュニケーションを円滑にする”ということです。医院内コミュニケーションとは、院長とスタッフ、スタッフとスタッフ、スタッフと患者さん、そして患者さんと院長というようにそれぞれの間における意思疎通、情報や感情の伝達、指示、報告などのやり取りのことです。

しかし、実際はそれが容易に行えるわけではないようです。たとえ言いたくとも言えないことがあったり、否定的な感情や思い込みが働くなどして、正しい伝達ができていなかったり、伝えるべき人に伝えられていない、といったようなルールが守られていないなど、スムーズ、正確なやり取りができていないこともあるのではないでしょうか。
それらを円滑にするためにリーダーが意識してはかるコミュニケーションは次の5つです。以前学んだリーダーの本によると、リーダーの文字を使って、
L(listen)⇒よく耳を傾けて話を聞くこと
E(explain)⇒よく解るように説明すること
A(assist)⇒援助、助けてあげること
D(discuss)⇒よく話し合うこと
E(evaluate)⇒評価する、価値を認めること
R(response)⇒すぐに応じる、答えること
というように、リーダーの心得が述べられていました。リーダーになったからといって、力んで急に肩に力を入れて厳しい口調にしたりする必要はないのです。
まず院長から指名されたら一番最初にするべきことは、リーダーとしての意思表示です。
《自分がリーダーという役割を任せられたということ(全員への認識)》、《どんな医院にしていきたいか(目標)》、《そのために自分はどのようにしていきたいかということ(方針)》という意思表明をご自分の言葉で話してください。そして気付いたことがあったらなんでも相談して欲しいということを全員にその場で伝え、意見、感想も聞くとよいでしょう(一方的ではなく双方向にすること)。
もちろん、最初は自信が持てないとは思いますが、最初からできる人はいません。リーダーのための研修をする際に、自信がないと不安を伝えてくる方があります。迷ったら、意見を求めればよいのです。新人に対しても同じことです。思いや不安を聴いてあげればよいのです。その上で自分が新人であったときのことを思い出しながら、できていることを認め、評価し、説明、アドバイスしてあげればよいのです。
もしあなたが新人の指導を任されたり、リーダー的な立場を任されたら、思い切って受けてみましょう。リーダーになったときから自分の成長が始まるのです。自分の成長、ステップアップのチャンスを得たと考えてください。
次回は、今回の内容をもっと具体的にお話しましょう。

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