スマートフォン版サイト

DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第29回(136号)
リーダーになったら③ ~“新人を早く『一人前』にするために”~
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

Download (PDF, 553KB)

お母さんのような存在です。困ったことがあってもすぐに助けてくれるし、クレームになりかけたらすぐに代わって応対してくれる、分からないことがあっても調べずとも聞けばすぐに答えてくれる…本当に頼りがいがあります。だから、リーダーの元にいればいつまでも安心なのです。一見いい雰囲気ですよね。ところがリーダーの悩みはスタッフの“お世話”に振り回されて本来の業務であるマネジメント(数値管理や戦力立案)ができないことです。リーダーが本来の業務に力を注ぐためには、スタッフに振り回されている時間を何とか減らすしかありません。そのためにはスタッフを早く一人前にしなければならない・・・。だから、またフォローをする…といつまでたっても堂々巡りです。どうすれば、スタッフは、早く『一人前』になるのでしょうか。まず、「何を質問しているか」ということに着目しましょう。聞かれてもすぐに答えてはダメです。もしかしたら、前に教えたことかもしれません。それであれば、ノートや資料を自分で調べれば、分かるはずです。それをすぐに答えてしまうと、「また、忘れても聞けばいいや」と言う気持ちが起こり、覚えようとしません。自分で調べて、それでも分からなければ、どこまで分かっていて、どこからが分からないのかということを考えさせ、質問させます。株式会社ロングアイランド接遇マナーインストラクター伊藤 純子リーダーになったら③“新人を早く『一人前』にするために”前回に引き続き、現場で先輩格にある方、指導を任されている方にむけて、新人、後輩の指導の仕方についてお話します。今、私はある企業のコールセンターのリーダーの方に対する指導をしています。この企業のリーダーの方々の役割は自分のグループのスタッフの指導育成と管理をし、グループ全体の売上を上げていくことです。基本的な商品知識や業務知識、仕事の進め方を一定期間で学んだ新人はコールセンターの現場に配属されます。もちろん新人ですから、分からないことや処理できないことが起こるとリーダーがフォローします。また、すでに研修で学んだこともいざとなると不安になり、リーダーに確認することもあります。このようにして、実際にお客様と応対していく中で、仕事を覚え、慣れ、『一人前』になっていく…はずなのです…が実際は違うことがあります。通常、新人は半年から1年もたてば、よほどのことがない限り、自分で一通りのことはこなせるようになるはずなのですが、現状は2年以上の、本来“ベテラン”と言われる方々でさえ、やたら質問が多く、いつまでたっても独り立ちできないでいる方がいます。もちろん全ての方がそうとは言いませんし、早々と独り立ちさせているグループもあります。特殊なことなら仕方ありませんが、勉強会を受け資料も手元に全てあるので、調べればすぐに分かることがほとんどです。にもかかわらず、いつまでたっても、リーダーを頼って聞いてくるのは何故なのでしょうか。しばらく見ていますと、なんとなく見えてきたことがあります。スタッフがなかなか独り立ちしてくれないグループのリーダーは、かつて現場でかなりのやり手でした。その功績を買われてリーダーに抜擢されたのです。スタッフにしてみればとても頼りになる、お姉さんであり、104そして、必ず理解したことを確認することが大切です。「わかりましたか?」と言う確認はまずいです。そのときはたいてい「はい」と言うからです。でも実際は理解していないことも多いのです。「理解したことを説明してみてくれる?」と質問してみましょう。実際に言葉に出して説明できたら、かなり理解できたということでしょう。教えたことを勉強会などで発表させてみる機会を与えてみることも効果的です。人に説明するためにはかなり復習と理解をしなければできないからです。もちろん、状況によって迅速に回答しなければならないこともあります。ただし、そのままにしないことが重要です。あとで、分からなかったことについて、再度理解の確認をし、自分の言葉で説明させ、ノートに書いておく…という流れはしっかりとさせておきましょう。基本的に“同じことは2度聞かない、説明しない”というスタンスを取ることが大切です。そうすることで、新人は覚えようとして、結果、早く成長していくのです。リーダーが優しいお母さんのようにいつまでもスタッフを甘やかし、何でも手を貸し、先にやってあげるということは、いつまでたっても子供が独り立ちできないのと同じではないでしょうか。先日、ある2年目の社員の方とお話する機会がありました。「貴方のリーダーはどんな方でしたか?」と聞いたところ、「本当にお母さんのように何でもフォローしてくれ、とってもよく世話をしてくれました。でもある時、この状態に甘えていてはいつまでたっても一人前になれないと危機感を感じ、自分でできることはやろうと思いました」と、何と自分から親離れをしていこうとしているしっかりした方もいました。こんな新人ばかりであればよいのですが、もちろん人には色々な性格の方がいます。やはり楽なほうに流れる方が多いのは事実です。教えること、フォローすることがいけないといっているのではありません。その教え方、フォローの仕方一つで、リーダーがいないと不安で、何も自分ひとりでできないようにしてしまうのか、それとも自分で考え、自分で取り組んでいける『一人前』になるかが決まります。できる人ほど、新人のもたもたしたところを見ていると、つい手を貸したくなるでしょうが、そこはぐっと我慢です!!早く、子離れ、親離れして、独り立ちができるよう教え方を工夫しましょう。       アシスタント講座105