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第35回(142号)

顧客満足に向けて その2 ~3つのサービスとそのバランス 医療編~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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顧客満足に向けて その2~3つのサービスとそのバランス 医療編~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

前回は、家電量販店での体験を例に挙げて、顧客満足に向けての3つのサービスのバランスについてお話しました。
顧客満足に向けてのサービスとは大きく分けて3つ

  • ① 商品そのものの品質、価格
  • ② 商品を購入するまでの流れ、購入後のフォローといったシステムの質
  • ③ ①②に関わる人の応対の質

があるということをお伝えしましたが、今回は医療関係でも同じような体験をした時のお話をさせていただきます。
先月、体調不良から風邪の症状がなかなか治らず、その後出張も控えていたので内科にいってみると、副鼻腔炎ではないかと言われました。
初めてのことで、耳鼻咽喉科も行きつけがなかったため、さっそくインターネットで耳鼻咽喉科を検索することにしました。
何軒か通院できる範囲内で評判のよさそうな医院を絞り込んでいき、患者さんの口コミを頼りに、そのうち1つの医院に決めました。
検索サイト内で、その医院に対して多くの患者さんが書いていることとして、

  • ・先生がちょっと怖い、でも診察も的確で迅速な治療であること
  • ・いつも混んでいるが、テキパキしているので、わりとスムーズであること
  • ・処方箋は院外ではなく、院内で出してくれ、なぜか費用も安い

などという内容が多くの方のコメントに含まれていました。
熱っぽく体調が優れない状況で待合室に長くいることは気が重かったため、電話で問合せたところ、予約制ではなかったのですが比較的空いている時間帯を教えてくれたので、早速その医院に行ってみました。
空いている時間帯とはいえやはり待合室には10数人の患者さんが待っていましたので、どれぐらい待つのか時間の目安を尋ね、40分ほど外に出ることにしました。
45分経って戻り、受付で尋ねてみると、「今お呼びしましたよ。どうぞ入ってください」と言われました。中に入るとさらに待合の椅子があり、2人待っていましたが、すぐに名前を呼ばれ治療の椅子に座りました。
案の定、先生は声も大きく怖そうに見えましたが、問診をし、ものの数秒で「ハイ、副鼻腔炎だね」「レントゲン!」と言って助手のスタッフに指示をし、私はレントゲンを撮り、再び治療の椅子に戻り説明を受けました。
その後、麻酔をして治療が行われました。私の鼻腔が狭いために、あまりの痛さに涙がぼろぼろ出て、身体も硬直し大変な思いをしました。
でも、その間スタッフの方2名は私の身体を押さえていてくれ、「痛いですね。力を抜いて。もう少しですよ、顔を上げて…」などと優しく励ましてくれていました。
その後、点滴も受けたのですが、その時も他の患者さんの対応もしながらテキパキと動き、どのスタッフとは限らず、寝ている姿勢に気を配ってくれ、鼻が辛そうにしていると、ティッシュを箱ごと取りやすい位置においてくれるなど、それはどの方もきめ細かく気配りをしてくれました。

それだけ忙しいにもかかわらず、気配りの言葉はとても自然で気持ちがこもっており、少し暇になると先生とスタッフが楽しそうに話している声も聞こえてきました。
電話で問合せをした時から始まり、治療中、点滴を受けている間、その後の会計と合計2時間半ぐらい医院内にいたのですが、スタッフのどの方をとってもテキパキとしていて感じが良いこと、親身に声をかけてくれること、スタッフと先生との連携がとてもスムーズなこと、などなど、感心することが多く、口コミサイトに書かれていたコメントは本当だったなと納得しました。
その後、しばらく通院しなくてはいけないと言われたのですが、仕事でなかなか時間が取りにくいということを察してくれたのでしょうか、帰り際にスタッフの方が「治療時間は朝9時からと書いていますが、8時30分には開いていますので、早めに来ていただいて構いませんから、頑張って通院してくださいね」と教えてくれ、励ましてくれました。
前回、お話した販売顧客満足に向けて、3つのサービスが大切であり、そのバランスも重要であるとお伝えしましたが、まさに、医療の場でそれを実践している医院だと思いました。
治療、診断の正確さ、応対の迅速性、スタッフの連携、気配り、フォロー(プラスαの声掛け)をどれもが実践できているからこそ、患者さんに選ばれる医院になっているのでしょうね。
何より印象に残ったのは、スタッフがどの方もベテラン(年齢的に30歳代後半から50歳代ぐらい?)ぞろいで、スタッフ同士、スタッフと先生とが『阿吽の呼吸が取れているな』と感じたことです。良いスタッフは良いスタッフを育て、定着し、良い職場環境を育て…と言うことでしょうか。“やればできる!!”ということでしょうね。
皆さんの医院でも、このような選ばれる歯科医院の実践を目指して、スタッフの育成に一丸となって取り組んでください。きっと良い結果につながると思いますよ。

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