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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第40回(147号)
笑顔、アイコンタクトに磨きをかける
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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たのです。2分咲きの笑顔と言うのは、別のイメージで言うと、口角は上げているけど、目はまだ笑っていない状態、言い換えれば、おすましの表情です。感じが悪いというわけではありませんが、なぜだか事務的に感じてしまいました。“笑顔”というのは、接客業ではもっとも必要であり、接客業でなくとも人と人のコミュニケーションにおいては不可欠ですね。笑顔は“あなたを受け入れますよ!”というサインです。だからこそ、第一印象であるお迎えの時には、一番良い満開の笑顔でお迎えして欲しいものです。そして説明をしている時は穏やかな3分咲き、4分咲きぐらいの表情が落ち着いて話を聞けます。相手が質問してきた時に答える時には安心感を与えるためにもにっこりと8分咲きの笑顔を返すと良いでしょう。そして、送り出しの締めの言葉には再び満開の笑顔を添えると、とても生き生きとした表情と感じのよい応対になるのではないでしょうか。つまり常に同じ表情ではなく、表情は変化があり、豊かであってほしいのです。そして笑顔と同じぐらい大切なのはアイコンタクトです。“目は心の窓”と言われるように、その人の気持ちを表します。口元は笑っているけど、目が笑っていないので怖いという表情ってありますよね。いくら口元の口角を上げて笑顔を作ったつもりでも、心ここにあらずの人や事務的な対応をしている人の目は、あらぬ方向を見ていたり冷めていたりするものです。相手に対する好意や敵意、関心株式会社ロングアイランド接遇インストラクター伊藤 純子笑顔、アイコンタクトに磨きをかける皆さんは日頃患者さんには笑顔で接していますか? 「そんなのいつも言われているから当たり前です」とおっしゃるかもしれませんね。では、その笑顔は常に同じ表情でしょうか? 答えは、「同じ」であって欲しくないです。その時の状況や会話、相手の反応や言葉に合わせた笑顔であってほしいと思います。最近はとんでもない応対の商業施設や病院に出会うことは少なくなり、基本的な対応は教育がなされているのだなと感じるところが増えてきました。しかし、同じように教育されたスタッフに応対されても、心に響く応対とそうでない応対とがあります。先日、近くに大きなスーパー銭湯ができ、そこがとても良いといううわさを聞いたので、早速行ってみました。とても広い駐車場があり、中では食事ができるところ、エステ、リラクゼーション…と様々なサービスが整っていて、広い館内は賑わっていました。フロントに行くと、受付の女性が、「いらっしゃいませ。当館のご利用は初めてでいらっしゃいますか?」という質問から始まり、施設の利用の仕方、システムをぺらぺらとスムーズに話し始めました。一通りの説明が終わり、キャッシュレスで館内を利用できる腕輪のようなものを渡されて受付が終わりました。しかし、なんだか物足りない感覚が残りました。言葉は聞き取りやすく、言葉遣いも丁寧でしたが、立て板に水のごとく説明され、なんとなく終わったという感じでした。確かにそのフロント女性の表情に笑顔はあったのですが、ちっとも温かみを感じませんでした。職業柄、つい「何が不足していたんだろう?」と考えてしまいました。よくよく思い起こすと、彼女の笑顔は「いらっしゃいませ」と迎える時から説明の間、私が質問したことに答える時、説明後の「どうぞごゆっくりお楽しみください」という送り出しの言葉に至るまで、終始“2分咲き”の笑顔だっ102の有無など、すべて目に表れ、そしてそれは、相手にも見抜かれてしまうのです。まさに心の窓です。またアイコンタクトは相手から得た情報に対する反応を伝えるものでもあります。柔らかい目の表情が大切であると同時に、時には目を見開いたり目でうなずく、話の内容にあわせて目の表情も変化させることでコミュニケーションをしっかりととろうとしていることが相手にも伝わり、相手も心を開いてくれるのです。私は患者接遇マナー研修においても、この表情とアイコンタクトの重要性をお伝えし、トレーニングも行っています。特にアイコンタクト、目の表情トレーニングは皆さんには必要だと思っています。なぜかと言うと、皆さんスタッフ、そしてドクターも患者さんと接する時にマスクをしていることが多いですね。もちろん挨拶をしたり、説明をする時にはマスクをはずして話すことをお勧めしていますが、治療の最中であったりすると、マスクをしたまま話すこともあると思うのです。そうなると口元は見えませんから、患者さんとのコミュニケーションは目と言葉だけで行うことになりますね。そのときに目が冷めた表情であったりしたらどうでしょうか。そこでトレーニングでは、マスクをしていても目元の表情でコミュニケーションが上手く取れるよう、鼻から下をテキストや紙で隠してもらい、隣同士向かい合って目元が柔らかく安心感を与える表情になっているかどうかを確認してもらっています。また笑顔トレーニングでは、手鏡を手に持ち真顔を作ります。そこから、2分咲き、4分咲き、8分咲き、満開の笑顔…と変化をつけていき、再度真顔に戻していく。これを何回か繰り返して、自分の表情の印象を知ると同時に、顔の表情筋も柔らかくしていろいろな表情を自由自在に表現できるようにしていきます。私は患者さんへの思いやりやもてなしの気持ちがあるから大丈夫と思っている方もあるかもしれませんが、それを上手く表現できていない方はたくさんいます。プロとして、しっかりと相手に伝わる表現力を今以上に磨くことも必要ですね。是非このトレーニングを試してみてください。アシスタント講座103