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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第42回(149号)
応対マニュアルの生かし方
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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ださい」と言って、受付に戻り顧客カルテを取ってきて、私の後ろでそのカルテを読み込んでいました。再び、「お待ちください。用意します」と言って、カラーの用意をして私の席に戻ってきました。そして「メッシュは入れたりしないですか?お似合いになると思うのですがいかがですか?」と提案されましたが、私は「仕事の都合もあるので、今日はいつもの通りでいいです」と断りました。するとそれからというもの、染めている間にも「パーマはかけないのですか?」「アフタートリートメントは如何ですか?」と矢継ぎ早に様々な提案してくるので、少々うんざりしました。髪を乾かす時には、なぜかアシスタントは、「お手伝いします」と言って、なぜかカラーリストに一礼をしていました。しかもカラーリストのブローはとても下手で生乾きでした。この後も、アシスタントの動き、会計時の受付の応対と気になることばかりでした。スタッフは恐らくマニュアル通りに応対しているのだと思います。しかし、残念ながらそれらは全て、お客様とのタイミングが合っていないのです。“お客様が入ってきたらすぐに挨拶し、お客様カードを受け取る”ということは一年を通して共通のマニュアルだとは思うのですが、寒い冬でお客様が先にコートを脱ぎかけていたのであれば、それを待ってコートを受け取った後、お客様カードをお願いすべきではないでしょうか。またスタンバイするのであれば、事前株式会社ロングアイランド接遇インストラクター伊藤 純子応対マニュアルの生かし方皆さんの医院にはスタッフの応対マニュアルはありますか?患者さんとの応対手順、すべきこと、伝えるべきことは大切ですね。とくに新人が仕事を覚えていく際には必ず必要なものです。そうした手順を記したマニュアルはそれぞれの場面で、最低限すべきこと、伝えるべきことをしっかりと覚えてもらうためにはとても有効です。しかし、その通りできるようになったからといって安心しないで欲しいのです。先日ある美容院に行ったときのことです。予約の電話を入れる際、前回染めた後伸びた部分の毛染めをしてほしいとお願いしました。その美容室は受付にスーツを着たコンシェルジュのようなスタッフがいて、入店時すぐに受付をします。カットをするスタイリスト、カラー専門のカラーリスト、アシスタントと、海外の美容室のようにそれぞれが専門化していてアシスタントに至るまで指名料を取っています。店に入ってもすぐにスタッフが気付かなかったので、コートを脱ぎかけました。すると、気づいたスタッフが歩み寄ってきて、「いらっしゃいませ。お客様カードをお預かりします」と言われました。私は脱ぎかけていたコートを着なおして、カードを探して渡しました。スタッフはカードを受け取って受付に戻り、担当のカラーリストをマイクで呼びました。「○○さん、お客様がお見えです。スタンバイお願いします」。その後ほどなくして呼ばれたスタッフが私を迎えにきました。新人らしいカラーリストが席に案内してくれ、汚れないためにカラーリング用のクロスを後ろから着せてくれました。前のボタンは開いたままでしたが、指示がないので仕方なく自分でボタンを留めました。椅子に座ると、「今日はどのようにしますか?」と聞かれ、(電話で伝えたのですが)「前回と同じ色で伸びた部分を染めてください」と伝えました。すると、「お待ちく74に顧客カルテに目を通し、予約の内容と照らし合わせて、先読みをしてからお客様の前に出るべきでしょう。さらにスタッフとして店の売上に貢献するため様々な商品を提案することも必要だと思うのですが、あれもこれもと提案しても押し売りと思われるだけです。お客様との会話の流れで自然に提案することが大切でしょうし、相手の要望によって提案すべきことと、そうでないことを選んでいくことも必要です。またなぜアシスタントがカラーリストに一礼したのかも分かりません。何のために一礼するのかを理解していないからなのでしょう。それぞれの役割に応じてスタッフを専門化するのは構わないのですが、であればそれぞれがプロであって欲しいと思います。指名料まで取っているのですから。この店は店構えも立派で規模も大きく、システムや形は最先端なのかもしれませんが、オーナーは果たしてこの応対に満足しているのでしょうか。皆さんはこの話をどう思われましたか? そんなお店があるんだろうかと思われたかもしれませんが、実際このような応対のサービス業、医療機関はよく見かけます。どんなお店や医院にもマニュアルは存在すると思うのですが、マニュアルはあくまでも形です。それをどのように生かしているかで大きな違いが出てくるのです。すべきこと、伝えるべきことができたらOKではありません。それらは最低限の骨の部分であり、そこに「相手に合わせる」というタイミングを図る気転、臨機応変さが身について初めてプロとしての接客と言えるのではないでしょうか。これは対患者さんだけではありません。ドクターとのタイミングに合わせることにもつながります。私がセミナーでお渡ししているマニュアルのトークもその通り言えるようになったから大丈夫とは思わないで欲しいのです。トークを言えるようになったら、今度は色々なお客様、状況を想定してのロールプレイングを行ってください。“相手を見る、相手を知る、相手に合わせる”ことを常に念頭において、ぜひ歯科医院のスタッフのプロを目指してください。アシスタント講座75