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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第46回(153号)
スタッフ全員が参加する医院経営 ~その1~ 役割を持つことで意欲的になる~
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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102 Dental Magazineで、患者さんへのお知らせやお願い事などのポスターなどを書く“広報”という担当を任せられていたそうです。わずか3ヵ月の経験で仕事には不安はあったそうですが、自身の得意な面を生かし、責任を持たされることで仕事に前向きに取り組んでいる様子が伺え、頼もしく感じられたことを覚えています。またある医院の方は患者さん向けにスタッフが作成しているミニ新聞を持ってきて見せて下さいました。医院のホームページの案内や院長や先生方、スタッフの紹介(血液型や趣味、パーソナリティ、患者さんへの一言メッセージなど)、そのほかにも近隣のお勧めの店紹介や患者さんのペット自慢など、歯科治療に関する情報だけでなくさまざまな情報をかわいいイラスト入りで掲載していました。内容からは先生やスタッフの人柄、医院の治療に対する熱意が窺え、親近感や安心感が沸いたことを覚えています。どれぐらいのスパンでこのミニ新聞を発行しているのかはわかりませんが、直接治療に関わる仕事とは別に、スタッフの皆さんがそれぞれ役割分担をして、忙しい中で協力して作り上げたものだということや、スタッフの皆さんが自主的に医院経営に参加している姿が想像できました。皆さんの医院では、このような取り組みはありますか?株式会社ロングアイランド接遇マナーインストラクター伊藤純子スタッフ全員が参加する医院経営〜役割を持つことで意欲的になる〜今年で阪神大震災から20年になりました。多くの被災された方々が着の身着のままで避難所に身を寄せ、共同生活をしていました。私も当時神戸で震災を経験し、知人が避難所でしばらく生活をしていましたので、地震後1週間ほどして、避難所を訪ねました。避難所では、大勢のボランティアと思われる方々によって、食事や生活用品の提供はもちろんのこと、各部屋の割り付け、避難所でのルールの看板など、多くの人で込み合っている中でも共同生活をするための整備がなされていました。先日、あるテレビ番組で当時の避難所となっていた小学校の様子についての話を取り上げていました。避難所となっていた小学校では、避難所内での新聞が作られていたそうです。書かれている内容というと、さまざまな情報はもちろんですが、日々共同生活していく上でのルールやお願い事なども書かれていました。たとえば、「○○ゴミは“どこどこ”に持っていってください」とか、「共同トイレに使う水をバケツリレーで運んでいます。皆さんも協力してください」などといった内容です。なんと、これらの内容を載せた新聞を作っているのは避難所に生活していた小学生たちだったそうです。実際、私が避難所を訪ねたときにも、子供たちが大きな声を張り上げて何かを配布していた姿を思い出しました。被災した者がずっと受身になっているのではなく、自分たちの生活する場において少しでも生活しやすいように自主的に取り組むことで、意欲が沸き、生き生きとした笑顔になっていく姿に大人も勇気付けられたそうです。ずいぶん前のことになりますが、私のセミナーに参加してくださった、医院のスタッフの自己紹介を思い出しました。その方は医院に勤務してまだ3ヵ月でしたが、医院内である役割を任せられていました。イラストが上手いということアシスタント講座DentalMagazine 103もちろん新聞でなくても、今でしたら、医院のホームページ内でスタッフが作成しているページを設けている医院もありますね。院長自らがブログを立ち上げていたり、スタッフ発信のブログを見かけたこともあります。また先生方やスタッフ紹介のボードを医院内に掲示している医院もあります。それ以外でも、例えば、こどもさんだけで来院する患者さんのために親に向けた伝言メモを利用したコミュニケーションツールの作成、治療の流れや患者さんに知っておいてもらいたいことをまとめた説明ツールの作成など、スタッフが担当できる取り組みはたくさんあります。また患者さんに向けての取り組みだけでなく、スタッフのための催し(忘年会や新年会、スタッフの誕生日やいろいろな記念日など)をスタッフ中心で企画している医院もあるでしょう。どんなことでも良いのです。患者さんとのコミュニケーションだけでなく、院内コミュニケーションの活性化に役立つアイデアをスタッフ発信で考え、取り組むことで、スタッフ一人ひとりが自主的、自発的に医院の経営に携わっていく仕組みが大切だと思うのです。特に新人には効果的なことでしょう。仕事を覚えることだけで精一杯かと思いがちですが、何か担当を任せられることで医院のスタッフとしての自覚が芽生えると同時に、それがまわりに認められることで仕事に対する意欲にもつながってくると思うのです。特に大人数の医院では新人はつい一番下であるという受身的な姿勢になりがちです。「あなたもこの医院の重要な一員であり、責任があるのよ」ということを自覚し、実感してもらえるよう早いうちから簡単なことでもいいので、担当を持たせることをお勧めします。もちろんその成果についてはしっかりとほめ、認めてあげることが大切であることはいうまでもありません。ぜひ皆さんの医院でも、スタッフ一人ひとりが自発的に医院経営に取り組める企画を考えてみてはいかがでしょうか。Assistance’s World