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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第47回(154号)
スタッフ全員が参加する医院経営 ~その2~ TC(トリートメントコーディネーター)
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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78 Dental Magazineる役割を取り入れ始めている医院が出てきているようです。TCの主な仕事は、ドクターと患者さんの間に立ち、歯科医師が決定した治療方針の説明を行い、患者さんの要望や不安を引き出し、その患者さんにとって最も適切な治療方針を患者さんの理解、納得を得ながら提案していくことです。もちろんそれは最初だけでなく、治療期間中にも節目ごとに状況を説明したり、患者さんの不安を引き出したりしながら、治療に対するモチベーションをあげる働きかけをし、患者さんとの信頼関係を築いていきます。そして完治まで導いていくのです。決して自費治療の患者さんを増やすことだけを目的とするのではありません。あくまでもその患者さんにとって最適な治療法を選択し、ご提案することです。結果、保険治療でよい場合もありますし、最初は保険治療内で行ってほしいと思っていても、説明を受けたことにより、自費での治療を希望する方もいらっしゃるでしょう。患者さんはその説明、治療、医院に納得満足すれば、今後も来院してくださるでしょうし、知り合いの方を紹介して下さるかもしれません。長い目で見ていけば、患者数を増やすことになり、売り上げも上がっていくことにつながっていくのです。もちろんTCという名前があるからといって、すぐに患者さんがその説明をすんなりと受け入れ、本音を話してくれるわけではありません。またその患者さんにとって良いと思い、保険適応外の自費株式会社ロングアイランド接遇マナーインストラクター伊藤純子スタッフ全員が参加する医院経営〜その2〜現在の厳しい歯科業界において、いかに患者数を増やすか、売り上げを上げていくかということに、皆さんの医院でもドクターは試行錯誤していらっしゃることと思います。皆さんスタッフの方々も、日々院長の経営方針に従い、患者満足度をあげていくために頑張っていらっしゃることでしょう。歯科医院経営は院長だけが行うのではなく、スタッフが一丸となりチームワークで経営に取り組んでいくことが大切です。以前、こちらのコーナーでインフォームドコンセント(説明合意)の大切さについてお話したことがあります。インフォームドコンセントをしっかりとすることは患者さんのデンタルIQを高めることにつながり、患者さんが前向きに治療に取り組むためにも必要です。そのためのカウンセリングの重要性は認知されつつあります。皆さんの医院ではこのカウンセリングをどなたが担当されていますか?ドクターが担当しているという医院もまだ多くあるのかもしれませんが、本来ドクターは治療をする技術者であり、一人でも多くの患者さんの治療をすることに専念しなければなりません。しかし、どんなに質の高い治療をしたとしても、十分に説明やヒアリングをしていなかったことにより、その治療方針を患者さんに理解されていないとしたらどうでしょうか。また患者さんの真の要望や不安が聞き出せていないとしたらどうでしょうか。患者さんは満足を得ないまま、治療を中断してしまう方もあるかもしれません。ドクターとしても本当にその患者さんにとってベストな治療を施せないことになってしまうかもしれません。最近、歯科業界で、TC(トリートメントコーディネーター)という任意の資格があるのをご存知でしょうか。医院によって呼び方や役割の幅に違いはあるようですが、欧米では確立された名称だそうです。最近は、日本でもこのTCにあたアシスタント講座DentalMagazine 79治療の方針を勧めたとしても、納得していなければ高額な治療を勧められたと感じるかもしれません。この仕事に一番大切なことは、患者さんが医院に対して信頼感をもち、心を開いていただけるようにするための“コミュニケーション力”です。患者さんは治療にあたってさまざまな不安を抱えています。また患者さんの求めていることも一人ひとり違います。だからこそ、しっかり向き合って耳を傾け、その方にあった説明をしていくことが大切なのです。まず、皆さんの歯科医院や医院の方針、治療技術をわかりやすく説明し、患者さんの納得を得ながら、患者さんとの信頼関係を築き“この歯科医院にお任せしよう、がんばって治療に取り組んでいこう”というモチベーションを持っていただけるようにしていくことが大切です。しかし、その役割を担当するにふさわしいスタッフがいなければ、成り立ちませんね。かといって、いきなり、外部からTCとして新しいスタッフを雇い入れたとしてもすぐに成果が出るわけではありません。歯科医院はチームワークが大切です。まずは新しい体制に向かって、スタッフが一丸となって協働(協力、連携しながら働くこと)していける風土が必要です。その中で、歯科衛生士や歯科助手の中からカウンセリングを担当することに適したスタッフを任命していくのがよいでしょう。“ドクターと患者さんの間に立ち、カウンセリングによって、患者さんの満足度をあげていく”“院長とともに歯科医院の経営に貢献していく”ことは、とても大切で責任があり、やりがいの感じられる仕事だとは思いませんか。そのためにも、皆さんが今からできることとして、患者さん一人ひとりを知ろうとする意識、ドクターやスタッフ、患者さんとのコミュニケーション力を磨いていただきたいと思います。その上で、歯科の基本的な知識や治療に対する知識も高めていってください。きっと歯科医院において、院長の頼もしいパートナーとなれることでしょう。皆さんの仕事の将来像、目標のひとつとして、このような役割にも興味を持っていただけたらいいなと思います。Assistance’s World