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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

アシスタントのためのイメージアップ講座

第50回(157号)
予約の患者を待たせてしまう時の工夫 ~スタッフの一言と配慮の効果~
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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80 Dental Magazine象は変わるのだと、改めて感じました。やっと診察予定時間の2時になり、診察室の前に行きました。しかし3時になってもまだ1時半の予約患者を診察中と表示されていたので、私の番まであとどれぐらいなのか聞いてみることにしました。すると、「診察室の前、中待合でお待ちください」とだけ言われたので、あと少しなのだろうと思って待っていました。しかし、やはりすぐには呼ばれず、もう一度、何人待っているかと聞くとあと3人ですとようやく教えてくれました。やっと診ていただいたのは4時半!病院に入ってからなんと5時間後です。大学病院なので待つのは当然ということかもしれませんが、一言おおよその時間を教えていただけていたら…と残念に思いました。ある病院は現在診察中の予約時間帯と待ち人数を電光掲示板で知らせています。待ち人数を見て、「外出したい」と受付に伝えれば、おおよその待ち時間と「何時には戻ってください」と教えてくれます。そうすると、ただイライラして待つのではなく、食事に出たり、買い物などに時間を使うことができ、待つことに対する不満も少なくなるはずです。今私が通っている歯科医院も待たせる患者に対する工夫があります。予約した時間に行くと、たいてい5分以内でチェアに案内されます。エプロンを掛けられ、前回からの変化を聞いた後は、座っている目の前にTVのモニターをセットし、「お好きなチャンネルを選ん株式会社ロングアイランド接遇マナーインストラクター伊藤純子予約の患者を待たせてしまう時の工夫〜スタッフの一言と配慮の効果〜私が担当させていただいている患者接遇セミナーで、参加者の方が興味を持つことの中に“予約の患者さんを待たせてしまう場合の対応方法”があります。予約をしていただいていても、急患が入ったり、治療が長引いてしまって時間通りに来ていただいた患者さんを待たせてしまうことは、どの医院でもあると思います。遅れを取り戻すための調整時間をとっていたり、その時間に急患の対応をするなど、それぞれの医院で工夫されていることと思いますが、それでも待たせてしまうことはありますよね。先日、気になる症状があったので、毎月検診に通っている大学病院に予約の日ではなかったのですが、待つことを覚悟して行くことにしました。症状を記入して渡すと、診察予定時間を記入した紙を渡してくれました。その時間まで2時間30分もありましたので、「診察予定時間に戻ってくればいいですね」と了解を得、病院を後にしようとしたところ、受付の看護師の方が、「採血の結果が出るのに時間がかかるので、先に採血を済ませてから出かけていただいたほうがいいですよ」とアドバイスをしてくれました。確かにそのほうが診察後の時間も短縮できるので、ありがたいなと思い、病院に戻って採血の待合室に行きました。採血の待合室はほとんど人がいなかったので、すぐに呼ばれるだろうと思って待っていましたが、なかなか名前が呼ばれません。少しイライラし始めたころ、やっと私の名前が呼ばれました。採血の椅子に掛けると、担当の看護師の方が来て、「お待たせしました。採血の項目指示が下りてきていなかったので、ずいぶんお待たせしてすみませんでした」と言って採血を始めました。その時の一言と申し訳なさそうな表情をみて、「そうだったんだ」と先ほどのイライラも吹っ飛びました。ほんの一言ですが、言葉をかけるだけでこんなにも印アシスタント講座DentalMagazine 81でもう少しお待ちください」とリモコンスイッチを渡してくれます。ドクターが来て診療に入るまで、長いときは20分くらいかかることもありますが、TVを見ているので時間は比較的早く感じます。待合室でずっと待たせるのではなく、チェアに案内することで先に進んでいると感じさせるのです。もちろんチェアが1台も空いていないときには待合室で長く待たされることもあります。そのような場合は、診察券を渡したときに「今日は込み合っていて30分くらいお待ちいただくことになりますが、ご都合大丈夫ですか?」と聞いてくれます。そしてこのあと用事があることを告げると「何時にこちらを出れば間に合いますか?」と聞いてくれ、その時間内で対応できるかのジャッジをしてくれます。そして急いでいるときなどは、会計を次回にまとめてくれるなど、こちらの都合を配慮した対応をしてくれます。いかがですか? 待たせる時、待たせた時の工夫がありますよね。ネイルサロンやエステであれば、ほぼ予約通りに進行して当たり前ですが、医療の現場ともなれば、急患も診なくてはいけないでしょうし、予約患者であっても、いざ口の中を開けてみると思ったより難治療であるなど、予定通り進行しないことはあって当然です。それを、「待たせても当たり前」という態度と気持ちでいれば、その態度や表情に対して患者さんは不満を抱くようになるのです。先ほどお話ししたような病院の電光掲示板やチェアに取り付けられたTVはお金のかかることですから、すぐに実行できるサービスではないかもしれませんが、どんな設備を付与すればよいかというヒントは、やはり患者さんの目線に立った気配りから生まれたことです。治療をしているのはドクターであり、スタッフができることは限られると思うのですが、患者さんに対するスタッフの一言や配慮、機転があることで待ち時間に対する不満はある程度解消されるものです。ぜひ皆さんの配慮、アイデアを現場に生かしてみてください。患者さんの満足度は大きく変わってくるのではないでしょうか。Assistance’s World