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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

CLINICAL REPORT
我レーザーと戦えり<その2> -Erwin AdvErl Q and A-
篠木 毅

■目 次

はじめに

前回は機械の方から見た、症例へのアプローチを書かせて頂きました。
今回はテクニック(ソフト)の面から書く予定でしたが、先生方の高パルスへの期待度は大きく、前回の<その1>の項目2. パルス数でも紹介しましたが、症例が見たいという要望がありましたので、急遽高パルスの症例を紹介することになりました。
出力設定は総エネルギーからの割り算で換算しています。
たとえば、10pps80mJで行っているものを高パルスに変更するときは、10pps×80mJ=8W。この値を20ppsで割ると40mJとなります。
症例に応用して痛みが有るときは、仕事効率を上げたい時パルス数はそのままに出力を下げています。
使用時の注意点としましては

  1. 1.ppsと出力
    症例に対して効率か痛み、どちらを大切にするか。
  2. 2.操作速度
    手の動きで切除の深さは変わります。
  3. 3.注水とバキューム
    痛みの管理は注水ですが、バキュームが問題になります。
  4. 4.音
    好みがあります。

  • アーウィンアドベール

歯肉切除
10pps80mJ、20pps40mJ。押し付けてきるのではなく、あくまでもレーザー光に仕事をさせるのが肝要です。この症例ではS600Tではなく、C400Fを使用していますが、症例によりチップ選択が多様になります、当然P400Tも選択肢に入ります。



ドライソケット
骨に照射ができるEr:YAGレーザーの最も得意な症例です。骨面には注水下で、軟組織には非注水で照射します。
出力は20pps30mJ、20pps40mJ、10pps50mJ、10pps80mJ、注水下。
以上の照射条件で可能。


歯肉切開
投薬と注水・非注水は症状にあわせて行います。
25pps30mJ、20pps40mJ、10pps80mJ、S600T、C400F。
以上の照射条件で可能。




P急発切開
急性症状は、病態を考えなければ痛みのでることがあります。
注水と非注水で行います。
25pps30mJ、20pps40mJ、10pps80mJ、S600T、C400F。
以上の照射条件で可能。




口内炎
レーザー治療で最も大切な基本症例です。基本は10pps30mJ非注水ですが、表面の濡れが大きい時は出力の変化が必要です。コツは照射しすぎないことです。
10pps30mJ、20pps30mJ、20pps40mJ、非注水。
以上の照射条件で可能。




縁下歯石除去
10pps80mJ、P400T。ポケット内をゆっくり根面に触れないように動かしていくと、容易に歯石除去が行えます。
20pps40mJ、20pps30mJ(注水下)も可能。


色素沈着除去(メラニン除去)
10pps80mJでも可能ですが、より効率とテクニックを必要としないのが20pps40mJです。
深さの調節はチップの角度で行います。注水は大切なポイントです。




う蝕除去
エナメル小柱の方向が大切で、タービンでの切削とは異なります。チップ先端を小さく動かし、あくまでもチップの照射面を多くするのが勘所です。
10pps250mJ。




5級窩洞レジン充填
この症例は効率を考えましたので高パルスを応用しました。痛みが出たときはディフォーカス、照射方向を変化させます。
20pps150mJ、注水下。




インプラント2次オペ
10pps80mJ、S600Tで行いましたが、20pps40mJでも可能。痛みが出れば躊躇なく注水。
P400Tも可能。チップ先端をインプラントにおしつけて切らないように注意します。




インプラント上の歯石除去
チップはC400T。縁上で大きな歯石の場合はC600Fも可能。
今まで他の波長ではできなかった画期的な症例です。
25pps30mJ、20pps40mJ、10pps50mJ、10pps80mJ。
以上の照射条件で可能。




※今回の症例は、すべて無麻酔で行いました。

まとめ

今後、より多くの有効な症例が出てくる可能性があり、エビデンスも動き始めるでしょう。誰もが今Er:YAGレーザーの高パルスからは目が離せません。
AdvErlが今、海外においても高い評価を受けているのも、本物のEr:YAGレーザーの本質を知る開発の歴史ではないでしょうか。
来年のEr:YAGレーザー臨床研究会では、また何が始まるのか。ますます目が離せなくなります。
今回の症例においては、各地方で講習会において症例検討会を併催されていますので、ユーザーの先生は、疑問等がありましたらぜひ御参加していただきたいと思います。

次回からはテクニック(ソフト)を書かせて頂きます。

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