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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

INTERVIEW
「チームワーク」「スタッフの笑顔」「可搬式歯科用ユニット」
こがはしもと歯科医院(京都市伏見区) 院長 橋本 昌美

■目 次

大谷一紀
こがはしもと歯科医院(京都市伏見区)
院長 橋本 昌美
高齢化にともない、在宅や介護施設で医療を受ける方々が増えています。
歯科医療の現場でも例外ではなく、「口腔機能を通じて健康な生活を守る」ため、全国の歯科医院で訪問歯科診療への取り組みが行われています。
デンタルマガジンでは、京都市でご開業の橋本昌美先生に訪問歯科診療をテーマにお話しいただいた内容を掲載します。

■訪問歯科診療を始められたきっかけは?

超高齢社会を迎え、歯科医院に来院できず在宅で介護を受ける方や、介護施設におられる方が数多くいらっしゃいます。内閣府が行ったアンケート調査では、自宅での介護を望む人が全体の約4割で最も多いそうです。そういった方々がご自宅や施設内にいながら歯やお口の治療ができて、いつまでもお口からおいしく食事を摂っていただける状態にして差し上げることが、私たち歯科医師、歯科衛生士や歯科技工士の使命だと感じて、開院時から取り組んでいます。

■訪問歯科診療をスタートされた当初はいかがでしたか?

訪問歯科診療を始めた当初は、器材がシステム化されていなくて、1つひとつがバラバラで、それをまるで“スーパーの買い物かご”に入れるようにガサッとひとまとめにして現地へ向かっていました。特に在宅での場合は、器材を置くスペースも限られていて、その範囲内で効率よく準備していかなければならないのですが、以前はセッティングも大掛かりで時間もかかり、患者さんやご家族の方をお待たせしてしまったり、何かと大変でした。また、以前の歯科用ユニットが可搬式と言えどもかなり重くて、女性スタッフが一人で持ち運ぶのが難しいこともありました。

■最近導入された新しい可搬式歯科用ユニットの使い勝手はいかがですか?

とにかく準備が簡単です。院内で使っているコントラアングルやストレートハンドピース等を用意するだけです。あとは現地で本体を開いてインスツルメントをセッティングし、コンセントをつなぐだけで完了です。訪問歯科診療は限られた時間とスペースの中で効率的に診療することが求められますから、器材が簡単にセッティングできることはとても大きなメリットと感じています。
そしてコンパクトで軽い。特にバキュームシリンジと超音波スケーラーを搭載した歯科衛生士用のユニットなら、女性一人でも楽に運ぶことができるので助かっています。また、形状がキューブ型で、車のトランクにも積みやすく倒れることがないので安心です。治療面では、介護施設など複数の患者さんの口腔ケアを行う際に、スムーズに移動し、ケアや吸引処置が行えますので、以前より待ち時間が減ったと患者さんにも喜んでいただいています。最近では口腔ケア後に残った細菌による誤嚥性肺炎が問題になっていますが、バキュームシリンジを使えば歯科衛生士が吸引できますので、その心配が少なくなりました。
訪問診療ではどうしても術野が暗いところが多いのですが、インスツルメントにはピックアップするだけで点灯するLEDライトが装備されていて、そのおかげで治療の精度も向上し、修復形成や根管治療など細かい作業をするときにも便利です。

■最後に訪問歯科診療を取り入れるうえでのポイントをお聞かせください

第一に訪問歯科診療には歯科衛生士を中心とした「チームワーク」が欠かせません。たとえば、訪問の際、歯科衛生士に加え現地で素早い義歯修理を行うために歯科技工士が同行することもあります。
訪問先のアポイントやスケジュール管理、当日の患者さんのコンディションチェック、術前の口腔ケア、診療中のアシスタント、後片付け、患者さんやご家族の方、介護施設スタッフへの報告、医院に帰った後の器材のメンテナンス、業務記録の記載、レセプト事務等…、訪問歯科診療で行う業務は決して少なくありません。これらを効率よく正確に行うためにはスタッフの力が必要です。さらに歯科衛生士を中心とした女性スタッフは、患者さんにとって身近に接する存在であり、彼女たちの笑顔が患者さんの笑顔へと繋がります。そしてそのスタッフたちを診療面で支える可搬式歯科用ユニットをはじめとした器材も、訪問歯科診療に欠かすことのできない大切なツールなのです。
都市部においても高齢化は待ったナシです。これからも私たち歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士もそのことを肝に銘じながら、日々の診療に取り組んでいきたいと考えています。






  • ケースに内蔵された多目的ホルダーは治療時に出たゴミをまとめるダストボックスとして利用可能。
    ケースに内蔵された多目的ホルダーは治療時に出たゴミをまとめるダストボックスとして利用可能。

デンタルマガジン 147号 WINTER