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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

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新しい「デンタポート」のモジュールとその特長について
株式会社モリタ製作所周辺機器開発部 山下誠一郎/土方秀雄

■目 次

■はじめに

●「デンタポート」について
歯科治療の中でも困難な作業の一つとしてあげられる根管治療を、安全かつ効率的に行っていただく装置として、2002年度に「デンタポート」が発売されました。
デンタポートは、モジュール追加で機能拡張できるという画期的なシステムのもと誕生した根管長測定・根管拡大形成器です。
2006年度には光重合機能にも対応したモジュールを発売いたしました(図1)。

●根管拡大の新潮流
「デンタポート」には、根管長測定器との連動により、設定した作業長でファイルを反転させる「アピカルリバース」機能や、ファイルにかかる負荷が一定の値を超えると、自動的に回転方向を反転させ、ファイルの食い込みや破折を低減する「トルクリバース」機能が搭載されており、安全な根管拡大に大きく寄与してきました。
この度、安全かつ効率的な根管拡大形成を追求し、「トルクリバース」機能をより進化させた新たな回転制御方式を開発いたしました。それが「OTR(Optimum Torque Reverse)」です。

  • 従来のデンタポートの構成
    図1 従来のデンタポートの構成

■特長1:新開発「OTR」

●OTRの動作原理
OTRは、従来のトルクリバース機能(図2)とは異なり、ファイルにかかる負荷が一定の値を超えると約90度反転し、その後約180度通常回転するというものです(図3)。
詳しくは以下のような動作となります。
あらかじめ設定した負荷に達するまでは通常回転を継続します(図4-a)。
設定した負荷に到達すると、約90度反転し(図4-b)、その後約180度通常回転します(図4-c)。
この時点で再度ファイルにかかる負荷を確認し、規定の値を下回るまで反転、通常回転を繰り返します(図4-b、c)。
負荷が規定の値を下回れば通常回転を継続します(図4-d)。

●OTRのメリット

  • ・反転動作を最小限に抑えられるため、通常回転に近い切削効率が得られます。
  • ・切削効率の低下が抑えられるため、OTR動作が始まるトルク値を低く設定するこができ、細いファイルでも折れにくくなります。
  • ・OTR動作時の通常回転に対する反転の比率が大きいため、食い込みが解除されやすくなります。
  • ・ファイルの根管壁への食い込みが低減されるので、ファイルの破折も低減されます。
  • ・現在お持ちのファイルをそのままご使用可能です。OTR専用ファイルといったものは不要です。
  • ・反転/正転の繰り返し動作は根管形状への追随性がよく、従来と比較して、より根管の形態に近い根管拡大が行えます。
  • ・根管長測定器との連動、アピカルリバースとの相性が非常によく、より安全で効率的な根管拡大が行えます。
  • 従来のトルクリバース
    図2 従来のトルクリバース
  • OTRの回転動作 規定負荷に達すると90度反転し、その後180度通常回転する。
    図3 OTRの回転動作
    規定負荷に達すると90度反転し、その後180度通常回転する。

  • 図4 OTR動作の流れ

■特長2:新しいコントラヘッド

OTR機能の搭載にあわせて、コントラヘッドも一新しました。

●ファイル電極を内蔵
根管長測定信号の伝達を行うために必要な電極(ファイル電極)をヘッド内部に内蔵することで、ファイルの着脱が容易になるだけでなく、作業長が拡大することで作業性が向上します(図5)。
なお、オプションで従来と同じ外部接続タイプの電極とすることも可能です。

●ヘッド部を小型化
従来のコントラヘッドより、ヘッド部を小型化しました(図6)。これにより、治療部位の視野が拡大し、作業性が向上しています。

●従来品との互換性維持
新しいコントラヘッドは、従来のデンタポートにもそのまま使用可能な構造となっており、現在デンタポートをご使用の場合、コントラヘッドを新しいタイプに交換するだけでも作業性の向上が図れます。

  • ファイル電極を内蔵。作業長が拡大。
    図5 ファイル電極を内蔵。作業長が拡大。
  • ヘッド部を小型化。視野が拡大し、作業性が向上。
    図6 ヘッド部を小型化。視野が拡大し、作業性が向上。

■特長3:互換性の確保

OTR機能搭載の新しいデンタポートモジュールは、お手元の根管長測定モジュールにそのまま接続してご使用いただけます。(図7
また、アピカルリバースをはじめとする数々の特長的な機能も全て継承されており、新たに導入される場合だけでなく、これまでご使用いただいていた方にもご活用いただけるようになっています。(図8

  • OTRモジュール構成 根管長測定モジュールにそのまま接続可能。
    図7 OTRモジュール構成
    根管長測定モジュールにそのまま接続可能。
  • 従来のデンタポートの数々の特長的機能を全て継承。
    図8 従来のデンタポートの数々の特長的機能を全て継承。

■おわりに

OTR機能の搭載とコントラヘッドの一新により、根管治療をこれまで以上に安全・効率的に行っていただくことが可能となりました。
根管拡大モータを購入したが、使いにくいといった理由であまり使用されていない方や、モータでの拡大は効率がよくないとお考えの方は是非一度本製品をお試しください。

デンタルマガジン 151号 WINTER