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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

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自然でストレスがない診療を実現するpd(自然な診療姿勢)診療システムの発信基地として東京表参道に“道場”を開設
東京都渋谷区 医療法人社団白雲会アイル歯科診療所 歯科医師 森田 勝洋

■日本の中心東京にpd診療普及のための拠点を

「21世紀の今日… 私たち歯科医師をはじめ、歯科診療に携わる全ての人たちが歯科受診の必要性を感じた時、多くの診療所が安心して身を委ねられる診療所であってほしいですね」。
開口一番、森田勝洋歯科医師はそう語る。とにかく同志が欲しい、それが森田先生の切実な願いだ。地元金沢のア歯科診療所で診療を行う傍ら、2014年2月東京表参道にアイル歯科診療所を設立した。
「この診療所は水平位診療を普及させたDr.ビーチが今から約半世紀前に提唱したOMU(Optimum ManagementUnit)のコンセプトを忠実に再現しています。ここは私がDr.ビーチから学んだ数々の教えを若いドクターに伝えていくための、いわば“道場”と位置づけました。診療所にはストレスなく快適に診療できる環境が整っています。この診療環境の普遍性をより多くのドクターに知っていただき、実際に使っていただくことで、その素晴らしさを全国に広めて欲しい。それが歯科医師としての私の使命でもあると感じています」。

■自院を閉院して研修所に身を投じた20代の頃

「口腔内というわずか7、8cmの空間を正確に知覚するためには、“水平”と“垂直”という人工物の中で最も安定をもたらす原則に従うことが前提で、そのコンセプトをもとに水平位診療がうまれ、スペースラインが開発されました。私は今までCU-1(初代スペースライン)、HPO、フィール21と3世代のベッドを使って約45年の診療人生を歩んできましたが、pd診療は身体への負担が少なく、肩こりや腰痛はほとんど経験したことがありません」。
森田歯科医師が大学を卒業した1970年当時はまだ立位診療が常識で、すでにCU-1を導入し開業していた知人の医院を見学した印象は「最初は使い勝手が悪そうに感じた」という。だが、その斬新な発想とDr.ビーチの人柄に興味を覚え、その後の講習会や勉強会にたびたび参加、徐々にその教えに傾倒していくようになる。
「地元金沢でDr.ビーチのレクチャーを企画して、15、6人の先生に参加いただいたのですが、そのときの講演テーマが『人間と重力』。歯科の世界でそんなテーマなんて聞いたことがない。いったい何を話されるのか全く見当もつきませんでした(笑)」。
講演会場はDr.ビーチの希望で医療器械が一切ない山奥のホテルの一室で行われた。
その講演にいたく感動し当時開業したばかりの医院を閉め、熱海の研修施設HPI(Human Performance Institute)に行くことを決意したが、周囲の反対にあい、やむなく断念。
しかし熱覚めやらず、その1年半後、開業から3年でいよいよ決心し閉院、単身でHPIに身を投じた。
「それはもう感動的でした。医療の目的、医療の価値、患者さんとどう向き合うか等、治療内容はもちろん医療活動全般について様々な知識を得ることができました。思いだされます。Dr.ビーチのレクチャーに感動のあまり何度か涙したことを。この経験が私の歯科医師としてのターニングポイントになったことは間違いありません」。
その後金沢へ戻り、閉院した診療所で再スタートしたが、HPIの環境が忘れられず、結局その診療所を再度たたんでOMU仕様の現在のア歯科診療所で活動し、現在に至っている。

■患者さんが求める歯科医療のあるべき姿

森田歯科医師は言う。「医療の本質とは本来、個性を許容してはならないのです。例えば3軒の歯科医院を受診すれば3軒とも概ね同じ方針を患者さんに提示するのがあるべき姿です。それが今はどうでしょう。三者三様の答えは当たり前で、個性を重視するあまり他院との差別化に躍起になっているのが実情ではないでしょうか?これでは判断基準を持たない患者さんに余計な不安を与えることになり、セカンド、サードオピニオンといったドクターショッピングが横行することもやむを得ないでしょう。こうした原因が全て歯科医院側にあるとは思いませんが、このあたりで歯科医療の本来あるべき姿を見直し、患者さんの不安を少しでも軽減できるように転換していかなくては、これからの歯科医療の諸問題を改善する糸口をつかむことはできないでしょう」。
黎明期にはDr.ビーチとその薫陶を受けたドクターたちによって、理想とする診療活動と最適な経営が行える診療所として全国に100カ所以上のOMUが開設されたが、理想的な規格化(共通性)にはほど遠く、むしろ個性化が強まり、厳しい状況は現在も続いている。
そこで森田歯科医師はそうした状況を打開すべく、今一度原点に戻り、2007年、「pdクリニック」計画を世に問うも、軌道に乗せることがかなわなかった経緯があった。

■45年の歯科医師人生をかけたラストメッセージ

それから7年あまりが経過し、縁あって都内に活動拠点を設けることができた。
「東京は日本の中心であり、世界の中心です。この診療所が発信基地となって多くのドクターの皆さんに歯科診療活動の本来あるべき姿=“原点”を肌で感じていただきたい。今、様々な理由から、特に若い人々にとって歯科医療が魅力のないものになっていると感じます。歯科医療は基本の繰り返し。当たり前のことを丁寧に繰り返すことが最も重要です。でも、これが本当に難しい。とても一人でできることではありません。受付から歯科衛生士、歯科技工士までが目的や考えを共有しないと続けていくことは至難の業です。Dr.ビーチが苦悩を重ねて開発したスペースラインやpd診療システムは、そうした毎日の診療活動をできるだけ自然でストレスなく行うために必要不可欠なツールであり相棒なのです。これらを自在に操ることで後の40年、45年の診療人生が快適なものになることは、これまで実践してきた私たちが証人です。私たちとともに歯科医療活動をもっと素敵なものに変えていきましょう」。
森田勝洋歯科医師のpd診療システムに対する情熱はどこまでも熱い。

  • モダンで落ち着いた雰囲気の院内は時代を超えた普遍的なデザイン性の高さを感じさせる。
    モダンで落ち着いた雰囲気の院内は時代を超えた普遍的なデザイン性の高さを感じさせる。
  • 限られたスペースにDr.ビーチが理想とした診療空間を忠実に再現。
    限られたスペースにDr.ビーチが理想とした診療空間を忠実に再現。
  • スタッフ全員が同じ目的意識を共有し、患者さんに向き合う。
    スタッフ全員が同じ目的意識を共有し、患者さんに向き合う。
  • 患者さんと十分なコミュニケーションをとり、最終的に同意を得てはじめて医療行為が行われる。
    患者さんと十分なコミュニケーションをとり、最終的に同意を得てはじめて医療行為が行われる。
  • 正確に知覚することでリズミカルに診療を行うことができ、誰もが快適。それがpd診療だ。
    正確に知覚することでリズミカルに診療を行うことができ、誰もが快適。それがpd診療だ。
  • 患者さんの要望やトラブルに即座に対応するため院内ラボを設置。
    患者さんの要望やトラブルに即座に対応するため院内ラボを設置。
<連絡先>
  • 医療法人白雲会アイル歯科診療所 TEL.03.6721.1855 東京都渋谷区神宮前4-26-12 カワノビル表参道B1 http://airu-dental.com
  • ア歯科診療所金沢 TEL.076.223.4825 石川県金沢市南町4-60 大同生命ビル4F http://ashikakanazawa118.web.fc2.com/index.html

デンタルマガジン 154号 AUTUMN