<新垣勝利 歯科技工士>
当院は、アドベンチスト病院グループの1つで、経営母体はセブンスデーアドベンチスト教団というキリスト教系組織です。アメリカ発の最先端の治療が受けられるということで、沖縄全島から患者さんが来院されるようになり、土地柄から外国人の患者さんも多く来院されます。
私は歯科技工士ですが、できるだけ自分が製作した補綴装置の予後を見たいという思いから、患者さんの口腔内を見せてもらうことが多いのですが、残念ながらケアを真面目にされる方ほど、オーバーブラッシングや研磨剤の影響で補綴装置やデンチャーが傷つき摩耗しているケースを目にします。天然歯や補綴装置の表面に細かな傷が付くとそこにプラークが滞留しやすくなるので、できるだけ表面を傷つけない歯ブラシや歯磨剤をお薦めしてほしいですね。
当病院ではセルフケアに「ソニッケアー」をお薦めしていて、私自身も家族全員で長年愛用していますが、通常の手磨きに比べブラッシング圧も一定に保てるので、天然歯や補綴装置の滑沢性を維持しながらプラークも効率的に除去できていると感じています。
<喜屋武利香 歯科衛生士>
当院では、7、8年前から矯正治療を始める患者さんへのセルフケアツールとして「ソニッケアー」を提供しています。通常の手磨きでは難しいブラケット周辺のプラークや着色を効率よく除去してくれるのでとても重宝しています。特にワイヤー裏側の汚れが取りにくい部分の場合、以前は歯間ブラシを縦に入れて使うように指導していたのですが、うまくできない方も多く困っていました。ソニッケアーは毛先が届きにくい部分も音波水流が補助的に作用してくれるので、患者さんからも「手磨きに比べて磨いた後の爽快感が違う」と好評です。
下の症例は矯正治療中の12歳女性(図1)ですが、手磨きだけではブラケット周辺やワイヤー裏側などが十分に磨けていないのがお分かりいただけると思います(図2~4)。その後、ソニッケアーの「インターケアーブラシ」を使って上下顎ともにクリーンモードでそれぞれ1クール(2分間)ブラッシングしましたが(図5~7)、まだ歯間部分やワイヤー裏側に磨き残しが見られます(図8、9)。再度2分間ブラッシングして、ようやくプラークが除去できました(図10~12)。
時間にして4分かかりましたが、手磨きだと確実にそれ以上の時間が必要ですし、歯ブラシだけでなく歯間ブラシなど他のツールも併用しないとここまでキレイに仕上げるのは難しいと感じています。
今後も引き続き矯正治療中の患者さんの口腔内環境の改善を目指して努めていきたいと考えています。
<柴田恵 歯科衛生士>
私がソニッケアーに初めて出会ったのは、アメリカで歯科衛生士として勤務していた頃です。アメリカでは当時から電動歯ブラシが一般的なセルフケアツールとして普及していて、そのなかでメインブランドの一つとしてソニッケアーは広く認知されていました。私が勤務する歯科医院でも、すでに多くのスタッフが自分の口腔ケアに使っていました。アメリカでは7年間歯科衛生士として勤務したのですが、私もほどなくソニッケアーのヘビーユーザーになったことは言うまでもありません。
その後帰国して、当院でお世話になっていますが、私が勤務を始めた頃はソニッケアーは導入されていませんでした。アメリカ時代からソニッケアーを愛用していた私は、患者さんにお薦めできないことをずっと残念に思っていたのですが、幸運にも見直しのチャンスがめぐってきたので、同じ考えのスタッフとともにアピールした結果、導入がかないました。
矯正治療の患者さんにはセルフケアグッズの一つとしてソニッケアーをご提供する形をとっていますが、他にもタフトタイプや矯正専用の歯ブラシ、歯間ブラシなどいろんなツールをご提供しています。その中から患者さんにとって使いやすく効果が高いものを選んで使用していただくのですが、私としてはソニッケアーを使用すればほぼプラークが除去できていると感じています。今後はエアーフロスをはじめまだ導入していないツールの効果も積極的に試しながら、沖縄の皆さまの健康長寿のお役に立ちたいと考えています。
アメリカ、日本の両国で歯科衛生士のライセンスを取得し、両国で勤務経験をお持ちの歯科衛生士柴田 恵先生にアメリカと日本の歯科衛生士事情についてお話を伺いました。
柴田さんはアメリカと日本の歯科衛生士の資格もお持ちと伺いました
はい。日本の高校を卒業後、アメリカに渡り、 ロマリンダ大学(カリフォルニア州)の歯学部歯科衛生士学科で学びました。
なぜアメリカで歯科衛生士を目指されたのでしょう
留学して医療系の仕事に就きたかったんです。アメリカでは7年間歯周治療専門の歯科医院で歯科衛生士として勤務しました。その後帰国する際に日本のライセンスも必要と感じて、厚労省に聞いたところ、当時はライセンスの切り替えが難しくて、結局日本の国家試験を受け直してようやく取得することができました。
アメリカの国家試験は難しいと聞きますが…
筆記試験の後にある実技試験がとても難しくて…。患者さんを自分で連れてきて、麻酔処置やプローブによる歯周ポケット測定やSRPなどの実技を試験官2人にみっちりチェックして採点されます。
歯科衛生士の業務で日米の違いにはどんなものがありますか
アメリカのライセンスは州単位になっていて、私はカリフォルニア州で取得しました。そこでは歯科衛生士が麻酔処置をできるので、先生の手を煩わすことなく私自身が麻酔処置をしてSRPなどを行っていました。日本でも歯科衛生士が麻酔できるようになれば業務内容がさらに広がってくると思うので期待しているのですが…。
日本の歯科衛生士の現状についてどう感じますか
アシスタント的な部分と本来の歯科衛生業務が混在していることが多いと感じます。アメリカで勤務していた頃は、歯科衛生士1人で午前4人、午後4人の1日8人の患者さんを診ます。それぞれ患者さん1人につき1時間の枠を取り、クリーニングやSRPのみを行います。メインテナンスの患者さんも定期的に3ヵ月ごとに来院されます。アシスタント業務はすべて助手さんが行いますので、帰国してアシスタント業務ができなくて困りました。
日本とアメリカで歯科に対する意識の違いを感じますか
とても感じます。歯周治療専門医院では、歯周病に罹患し外科手術など大きな治療を受けた方も多く、「何とか自分の歯を残したい」という気持ちの強さを感じました。アメリカではほとんどの方がすべて歯が残っていましたし、日本のように歯が1本もない方はあまりいませんでした。
最後にデンタルマガジンの読者の皆様にメッセージをお願いします
これは各院長先生へのお願いになりますが、できるだけ歯科衛生士を担当制にしてあげてほしいと感じています。当院でも純粋な担当制ではないですが、担当したい患者さんがいれば可能なシステムにはなっています。担当制にして患者さんとの人間関係を築き、その患者さんがどこまで改善していくか、そのプロセスを体験することで取り組み方やモチベーションも変わってきます。「私の担当した患者さんがこんなに良くなった」と思えることが仕事に対する自信にもつながりますから…。歯科衛生士さんには自分の使う道具にも愛着やこだわりを持ってほしいですね。例えばスケーラー、Myスケーラーを持って、いつでもきれいに砥げるように手入れしておくことも仕事に対する心構えとして大事だと思います。
貴重なお話ありがとうございました。