DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

Clinical Report
2液性ボンディング材「クリアフィル メガボンド2」を使用した接着治療
東京都港区 内山歯科クリニック 院長 内山 徹哉

キーワード:接着強度の長期耐久性/セレクティブエッチング/Micro rubberdam isolation technique(MRIS)

■目 次

■はじめに

我々歯科医師にとって接着治療はなくてはならないものである。その進化は日進月歩であり、臨床医は刻一刻と変わっていく製品を理解しながら治療に役立てなければいけない。しかしながら接着治療の成否が結果としてわかるのは、何年かの経過観察の後に解ってくるものであるため、数ある製品の中でどの製品が良いのかを判断することは容易ではない。
そこで、筆者は研究データから使用する接着材料を選び、根拠のあるデータに基づいた治療を行うこと(Evidence Based Medicine)を目指している。

■世界をリードする日本の研究

日本の接着研究は世界をリードしており、同じ日本人として大変誇らしく思っている。
高垣らは1液性と2液性のボンディング材を用いて、1万回サーマルサイクルをかけたのちのボンディングと象牙質の接着強度を報告している。この研究によると、セルフエッチングを行っているものであれば、接着後24時間の接着強度は両者に大きな差は出ていない。
しかしながら、サーマルサイクルを1万回かけたのちの接着強度には大きな違いが出ている1)
その背景として、2液性のボンディング材を塗布した接着界面には、接着力の耐久性に大きな影響を及ぼすハイブリッドレイヤー(HL)とacid-base resistance zoneが長期にわたり機能し続けるが、1液性ではその両方を長期的に維持できないということがあると報告されている。
2021年現在、世界的にみてボンディング材は1液性になる潮流が目立っているが、我々臨床医はその性能をしっかり見極め、適切な症例を選択することが必要であろう。
以上の理由から筆者は2液性の「クリアフィル メガボンド2(クラレノリタケデンタル)」を好んで使用している。

■「メガボンド」と「メガボンド2」の比較

筆者は長期にわたり「メガボンド」を使用していたが、「メガボンド2」の発売以降はそちらに変更している。その大きな理由はなんといっても、接着強度の長期耐久性であろう。
昨今、筆者の臨床は接着技術の進化とともに変化している。すなわち維持形態重視の修復デザインから、歯牙を保存する設計への変更を目指しているが、そのような修復設計には接着強度が予知性の高い修復治療を達成させるための最重要項目となる。
「メガボンド2」は「メガボンド」と比較して4000回のサーマルサイクル後のせん断強さへの影響は少ない(図1)。このことが「メガボンド2」を私が使用するもっとも大きな理由である。

  • [図] 「メガボンド」と「メガボンド2」の比較
    図1 「メガボンド」と「メガボンド2」の比較。
    牛歯象牙質に対するせん断接着強さ。

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デンタルマガジン 177号 SUMMER