DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

Field Report
ステインやプラークの付着が目立つ患者さんに合わせたセルフケア製品の提案例
福岡市中央区 歯科・林 美穂医院 歯科衛生士 藤本 和泉

■目 次

[写真] 歯科衛生士 藤本 和泉
福岡市中央区
歯科・林 美穂医院
歯科衛生士 藤本 和泉

日々、さまざまな患者さんと接するなかで「最近歯の着色が気になる」「どのようにすれば歯が白くなりますか?」など、歯の汚れや着色に関する相談を受けることが多いと感じています。
患者さんが「白くてキレイな歯でありたい」と願うことは、口腔内に対する意識の向上であると思います。そこで当院では「歯を白くしたい」「白い歯を維持したい」というご希望に対して、患者さんのお口の状態はもちろんのこと、性格や生活習慣・背景に寄り添った指導やセルフケア用品をご提案しています。

たとえば、症例1の患者さんは歯磨剤に「システマSP-Tジェル」(ライオン歯科材)を使用しており、歯周組織の状態は良好でしたが、コーヒーを飲む習慣があり、舌側にはステインが沈着し、唇側にはプラークの残存があり、歯面に光沢がない状態でした。そこで、現在使用中の手用歯ブラシを交換するタイミングを見計らって音波式電動歯ブラシ「ソニッケアー」を提案。舌側に叢生も見られるため、替ブラシには、ひし形カットの毛先がステインやプラークを効率よく除去するホワイトプラス(コンパクト)を選択。さらに、就寝前の歯磨きにはステイン除去を目的に、美白歯磨剤「Brilliant more W」(ライオン歯科材)を薦めしました。今後は経過観察を続け、歯磨剤の選択については患者さんとコミュニケーションをとりながら、お口の状態に適した製品を提案していくことにしました。幸い、その後の経過も良く歯面に光沢もでて、患者さんはとても喜んでおられます。

  • [写真] 舌側にはステインの沈着が認められる
    症例1-1 コーヒーを常飲しているため舌側にはステインの沈着が認められる。
  • [写真] 歯肉の状態は良好であるが、プラークの残存を認め、歯面の光沢も見られない
    症例1-2 現在、研磨剤無配合のSP-Tジェルを使用中であり歯肉の状態は良好であるが、プラークの残存を認め、歯面の光沢も見られない。
  • [写真] 替ブラシにはホワイトプラス(コンパクト)を使って指導を行った
    症例1-3 手用ブラシ交換のタイミングでソニッケアーを提案。替ブラシにはホワイトプラス(コンパクト)を使って指導を行った。歯磨剤は朝と日中はSP-Tジェルの使用を継続。就寝前の歯磨きにBrilliant more Wをお使いいただいた。
  • [写真] ソニッケアーに交換して約2週間後の下顎舌側部の状態
    症例1-4 ソニッケアーに交換して約2週間後の下顎舌側部の状態。施術前に比べ叢生部の残存プラークや歯面ステインも目立たなくなっている。
  • [写真] 同じく下顎唇側部の状態
    症例1-5 同じく下顎唇側部の状態。目に見えて歯面の光沢も出て、患者さんにも大いに満足していただいている。

Brilliant more Wは当院のスタッフ全員が実際に試してみて、味やスッキリ感、ツヤ感、着色予防の点でその良さを実感しています。おもにメインテナンスのたびに着色が気になる患者さんにお薦めしているアイテムの一つです。
また、ソニッケアーは替ブラシの種類が充実しており、患者さん一人ひとりの口腔内の状況に適したブラシを選択できることが魅力です。さらに、手磨きのように歯ブラシをゴシゴシ動かすのではなく、歯列に沿ってゆっくりと毛先を動かしていくよう患者さんにお伝えしています。ソニッケアーの具体的な活用例としては、疾患などにより手用歯ブラシを把持することが困難な患者さんにお薦めしたり、多忙のため歯磨きに時間をかけられず、ゆっくりブラッシングする時間のない患者さんにもお薦めしており、「短時間で手磨きと同じように磨ける」と喜ばれています。
ただ、セルフケアは毎日続けることが大切ですが、日々忙しい中ではそれは簡単ではありません。患者さんの来院時には、その方なりに一生懸命ケアされていることを認め、きちんと評価するように心がけています。このような配慮は患者さんのモチベーションを維持する動機付けの一つになると思います。磨き残しがあっても一方的に指導するのではなく、まずは「生活の変化がありましたか?」など、お話をしっかり聞いて磨き残しの原因を探るようにしています。

症例2(40代女性)の患者さんは、「システマ44M」(ライオン歯科材)を使用されており、最初は経過も良好でしたが、生活環境の変化などによりプラークや着色、歯石の増加が度々認められる日が多くなりました。そこで、システマ44Mよりも毛先が短く設計されたことで毛先のしなりが少なく、よりプラークをしっかりコントロールできる「システマSP-T歯ブラシ」(ライオン歯科材)への交換と、Brilliant more Wの併用を提案しました。興味を持っていただいたので、歯ブラシの交換とともに磨き残しの多い舌側の磨き方を中心に再度指導したところ、「ヘッドが小さく使いやすい」と受け入れていただきました。その後、着色や歯石の再沈着は抑えられ、プラークコントロールは良好な状態を維持されています。

  • [写真] メインテナンスのたびに前歯舌側面に着色が確認される
    症例2-1 40代女性。メインテナンスのたびに前歯舌側面に着色が確認される。使用歯ブラシをSP-T歯ブラシに変更し、Brilliant more Wを使用。
  • [写真] SP-T歯ブラシ使用開始から2週間後
    症例2-2 SP-T歯ブラシ使用開始から2週間後。着色もかなり目立たなくなってきた。

このように患者さんは千差万別で、一人ひとりのお口の状態はもちろん、生活背景も日々変化しています。その「変化」にいち早く気付く眼を持つことが大切です。もし問題が生じているなら、その原因を歯科医師とともに真摯に考え、対応していくことが重要だと思います。症状の改善傾向には個人差があり、その方のモチベーションが大きく影響します。同じ評価をするにしても、患者さんに合わせた声かけが必要だと思います。
セルフケア用品をうまく活かせるかはその方のお気持ち次第です。モチベーションが上がる人もいれば、下がる人もいらっしゃいます。そのなかで下がった人をどうフォローするかは、歯科衛生士の永遠の課題なのかもしれません。
プラークコントロールは決して簡単ではありません。だからこそしっかり患者さんを「診る」、そして常に「考える」ことにこだわり続けたいと思います。大切な1本の歯を守り、そして患者さんの健康を願い、常に寄り添う心を忘れない歯科衛生士でありたいと願っています。

  • [写真] 40代女性
    症例3-1 40代女性。歯ブラシを3ヵ月交換せず使用。毛先の広がりや劣化は清掃効果が低下することを伝え、歯ブラシの交換とステイン除去を目的にBrilliant more Wを提案。
  • [写真] 1週間後
    症例3-2 1週間後。歯ブラシを交換し適切なブラッシングを行うことで歯面の光沢化だけでなく歯肉の状態も改善している。
  • [写真] 緑茶、紅茶を常飲しているためステイン沈着が気になるとのこと
    症例4-1 緑茶、紅茶を常飲しているためステイン沈着が気になるとのこと。歯ブラシは患者さんの好みで柔らかめのものを長年使用していた。
  • [写真] 患者さんの好みでもあるやわらかめの毛先で、歯ぐきケアを目的としてプレミアムガムケアを選択
    症例4-2 患者さんの好みでもあるやわらかめの毛先で、歯ぐきケアを目的としてプレミアムガムケアを選択。同時にステイン除去効果を期待してBrilliant more Wを併用使用していただく。
  • [写真] 施術後
    症例4-3 施術後。飲み物は変わらず摂取しているがソニッケアーとBrilliant more Wを使用することで歯面に艶も出て良好な状態を維持している。

デンタルマガジン 178号 AUTUMN