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179号 WINTER 目次を見る

Clinical Report

2級コンポジットレジン修復の成功に繋がる6つの心掛け-後編-

DRC.Hamamatsu・田代歯科医院 田代 浩史

キーワード:修復精度を向上させる器材・材料/コンポジットレジン直接修復/2級コンポジットレジン修復の成功ポイント

■目 次

■前編では

コンポジットレジン修復における各ステップにおいて、修復の精度を向上させるために使用される器材・材料に注目し、Direct Restoration Center. Hamamatsu(田代歯科医院)での臨床状況に応じた選択基準と使用方法について、修復操作の前半部分(窩洞形成・隔壁設置・接着操作)について解説した。
後編では、コンポジットレジン修復操作の後半部分(積層充填・光照射・研磨操作)について、各ステップでのポイントを示す。

■STEP 4 充填操作図2432

コンポジットレジン修復の積層充填操作は、窩洞の規模によって積層充填時の分割回数は異なるが、各段階が最終的に再現される歯冠形態のどの部分を構築するための充填操作であるのかを明確に意識してコンポジットレジンを積み重ねていく必要がある。
基本的には窩洞内にコンポジットレジンを細かく分割して充填することは其々の接合部に機械的強度の不安定要素を作ることになるが、重合収縮応力の発現を考慮すると一回あたりのコンポジットレジン充填体積の限界を意識する必要もある1、2)
臼歯部修復における、充填時の分割回数と一回あたりの充填体積との関係をイメージするための模式図を図32に示す。窩洞の深さが3.0~5.0mm程度の場合、3層程度の積層充填操作が一般的な分割回数となり、まず第1層目としてフロアブルCRを使用した窩洞底部のライニング操作が行われる。引き続き第2層目としては象牙質色のペーストタイプCRを使用して窩洞内の色調再現の基盤を構築、さらに第3層目としてはエナメル質色のペーストタイプCRを使用して最終的な形態再現を行い、同時に透明感のある色調再現を完成させる。(本症例では窩洞の深さが3.0mm程度であり2層積層充填を行った。)

  • [写真] 窩洞隣接面部へのフロアブルCR充填(クリアフィル マジェスティ ES フロー A2 High:クラレノリタケデンタル)
    図24 窩洞隣接面部へのフロアブルCR充填(クリアフィル マジェスティ ES フロー A2 High:クラレノリタケデンタル)と光照射。
  • [写真] 窩洞隣接面部へのフロアブルCR充填
    図25 窩洞隣接面部へのフロアブルCR充填では、メタルマトリックスとの間の狭小空間への照射光到達を意識。
  • [写真] 窩洞底部全体へのフロアブルCRによるライニング操作
    図26 窩洞底部全体へのフロアブルCRによるライニング操作。
  • [写真] 隣接面部へのペーストタイプCR充填(クリアフィル マジェスティ ES-2 A2:クラレノリタケデンタル)
    図27 隣接面部へのペーストタイプCR充填(クリアフィル マジェスティ ES-2 A2:クラレノリタケデンタル)により辺縁隆線部を再現。
  • [写真] 最終層の充填操作
    図28 本症例の窩洞深さは3.0mm程度。窩洞底部全体へのフロアブルCRによるライニング操作後、本症例では最終層の充填操作に移行。
  • [写真] ペーストタイプCR充填(クリアフィル ES-2 A2:クラレノリタケデンタル)
    図29 ペーストタイプCR充填(クリアフィル ES-2 A2:クラレノリタケデンタル)により頰側咬頭部を再現。
  • [写真] 小窩裂溝部には色調調整材を塗布
    図30 小窩裂溝部には色調調整材を塗布。
  • [写真] ペーストタイプCR充填(クリアフィル ES-2 A2:クラレノリタケデンタル)
    図31 ペーストタイプCR充填(クリアフィル ES-2 A2:クラレノリタケデンタル)により舌側咬頭部を再現。
  • [写真] 上:クリアフィル マジェスティ ES フロー High(窩洞底部のライニング) / 下:クリアフィルES-2(積層充填):クラレノリタケデンタル
    上:クリアフィル マジェスティ ES フロー High(窩洞底部のライニング)、下:クリアフィルES-2(積層充填):クラレノリタケデンタル
    ※症例ではともにA2シェードを使用
  • [図] 深さ 約 5.0mm の大規模窩洞を想定
    深さ 約 5.0mm の大規模窩洞を想定
  • [図] ボンディング層・積層充填の第1層目としてのフロアブルCR
    ボンディング層・積層充填の第1層目としてのフロアブルCR
  • [図] 積層充填の第2層目としてデンティンシェードCRを充填し咬合面小窩裂溝の位置を明示
    積層充填の第2層目としてデンティンシェードCRを充填し咬合面小窩裂溝の位置を明示
  • [図] 積層充填の第3層目としてのエナメルシェードCR(頰側咬頭)
    積層充填の第3層目としてのエナメルシェードCR(頰側咬頭)
  • [図] 裂溝部の位置設定後に光照射
    裂溝部の位置設定後に光照射
  • [図] 積層充填の第3層目としてのエナメルシェードCR(舌側咬頭)
    積層充填の第3層目としてのエナメルシェードCR(舌側咬頭)
  • [図] 裂溝部の位置設定
    裂溝部の位置設定
  • [図] 裂溝部の位置設定の仕上げ
    裂溝部の位置設定の仕上げ
  • [図] 解剖学的形態を考慮した3層積層充填を完了
    解剖学的形態を考慮した3層積層充填を完了
図32 臼歯部窩洞への3層で行う積層充填方法

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