DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

Field Report
外周の毛束がポケット深くまで届いて汚れを落とす、新感覚のブラシヘッド
フリーランス 歯科衛生士 沢口 由美子

■目 次

  • [写真] フリーランス歯科衛生士 沢口 由美子

    フリーランス歯科衛生士
    沢口 由美子

― 新製品「オールインワンブラシ」(図1)の第一印象はいかがでしたか

 「なんじゃこりゃ!?」と思いました(笑)。これまでの替ブラシは一つひとつの穴に束になって植わっていて、ヘッドの大きい「プレミアムシリーズ」の場合、その分振幅の幅も大きいので歯と歯の間もしっかり磨いてくれる感覚がありました。でも「オールインワンブラシ」はこれまでとは違ってまるで“壁のように”植わっているので「磨いたらどうなるんだろう?」と感じました。

― 実際に磨いてみていかがでしたか

驚きました! はじめは自分の歯肉の状態は悪くないと思っていたのですが、磨いてみると少し痛かったんです。「痛いってどういうこと?」と思って、どこが当たっているのか、ブラシをもう一本持ってきて触ってみると、外周の毛の部分が当たっていました。だんだん慣れてきて結構いい感じに当てられるようになりました。そのあとはオールインワンブラシばかり使っていましたね。ただ、患者さんには「先端のオレンジ色の部分をこうやって当ててください」というふうに当て方はきちんと指導してあげた方がいいと思いました。

―「オレンジの毛の部分」と色で説明してあげるとわかりやすいですね

そうなんです。例えば大臼歯のポケットが深い患者さんの場合「ブラシを立てて先端のオレンジ色の毛の部分だけを当ててみて」と指導してもいいと思います(図2)。小臼歯や大臼歯の場合、歯と歯の間の隣接が深い部分にも入りやすいので、ブラシ中央のオレンジ色の毛束が歯面に当たって、外周のブラシ先端が歯間部の隣接部分や歯頸部にも深く入って「おっ! これいいな」と感じました。

  • [写真] プレミアムオールインワンブラシ
    図1 「プレミアムオールインワンブラシ」。
  • [写真] エリアごとにブラシの毛束の色に変化がつけてある
    図2 エリアごとにブラシの毛束の色に変化がつけてあるので、患者さんにはこの色を目安にブラッシング指導を行うことができる。

―「これは使えそう」という感じですか

そうですね。大臼歯のポケットが深い患者さんには先端のオレンジ色の部分で磨くよう指導しますが、通常の方なら中央のオレンジ色の部分と青色と白色の部分を磨きたい歯面に当ててもらえばいいと思います(図34)。中央のオレンジ色の部分が風車みたいになっていておもしろいですね。この部分がきっちり歯面に当たってくれそうです。あと、ブラシの色をエリアごとに変えているのがいいですよね。前の部分をオレンジ色にしてかかとの部分を白色、真ん中に青色の毛束※があるじゃないですか。その色を目安に磨き方の指導ができそうです。

  • [写真] 小、大臼歯に深いポケットがある場合はブラシを立てて先端のオレンジ色の部分をポケット部分に沿わせて磨く
    図3 小、大臼歯に深いポケットがある場合はブラシを立てて先端のオレンジ色の部分をポケット部分に沿わせて磨くように指導する。
  • [写真] ポケット部分や歯間部以外の歯面や咬合面はブラシの中央部分を使ってブラッシングする
    図4 ポケット部分や歯間部以外の歯面や咬合面はブラシの中央部分を使ってブラッシングする。

― 縦方向のブラシの当て方を教えてくださいましたが、横方向はどんな感じで当てればいいですか

青い毛の部分が中心に来るようにするとオレンジ色の毛の頂点とかかとの白い毛の頂点が歯間部に入るんですよ(図5)。大きいブラシはこれができるんです。当てる際には「軽く浮かせる感じでやさしく当ててください」と指導してあげるといいでしょう。殺菌成分がある歯磨剤を使えば歯間部分にもその薬効成分が入っていくと思います(図6)。
さっそく、ソニッケアーを長年使っている男性の患者さん2人に試してもらいました(図711)。一人はヘビースモーカーですけど、タバコを吸っていない時のように口の中がキレイになっていました。ヤニがつかない感じで、歯肉の状態も悪くないです。超音波スケーラーのチップをポケット中に入れると少し出血しますが、意外と大丈夫で「このブラシ、やるじゃん!」と感じました。

  • [写真] 横方向の場合は、青い毛の部分を2歯の中心に置くとオレンジ色の毛の頂点とかかとの白い毛の頂点がちょうど歯間部に入る
    図5 横方向の場合は、青い毛の部分を2歯の中心に置くとオレンジ色の毛の頂点とかかとの白い毛の頂点がちょうど歯間部に入る。
  • [写真] 軽く浮かせる感じでやさしく当てるように指導する
    図6 軽く浮かせる感じでやさしく当てるように指導する。殺菌成分がある歯磨剤を使えば歯間部分にも薬効成分が入っていく。
  • [写真] 小、大臼歯に深いポケットがある患者さんに先端のオレンジ色の毛の部分だけを立てて当てるイメージで磨いてもらう
    図7 小、大臼歯に深いポケットがある患者さんに先端のオレンジ色の毛の部分だけを立てて当てるイメージで磨いてもらいました。
  • [写真] 歯間部分や歯頸部の深いポケットにアプローチしながら、ブラシの中央部分の毛束が歯面をしっかり磨いてくれる
    図8 歯間部分や歯頸部の深いポケットにアプローチしながら、ブラシの中央部分の毛束が歯面をしっかり磨いてくれています。
  • [写真] 上顎の小臼歯
    図9 続いて上顎の小臼歯です。特に第一小臼歯に深いポケットが存在しています。
  • [写真] 「オールインワンブラシ」を縦に当ててもらう
    図10 歯肉との境目はプラークが残りやすいので、「オールインワンブラシ」を縦に当ててもらいました。
  • [写真] ポケット部分の汚れはかなり目立たなくなり歯面もツルツルに
    図11 少し出血はありましたが、ポケット部分の汚れはかなり目立たなくなり歯面もツルツルになりました。

― 替ブラシのラインナップがさらに1種類増えたことになりますね

私はブラシの種類が多いと「楽しい」と思えますし、新しいブラシは必ず試すようにしています。そして、多くの歯科衛生士さんにも、ぜひすべて試して欲しいと感じています。「歯ブラシのプロフェッショナルだったらどの歯ブラシにも精通してほしい」と思うわけです。自分が「いいな」と思ったブラシをお薦めすることはもちろん大事ですが、いろんなブラシを試したうえで判断して欲しいですね。

― 沢口先生なら9種類の替ブラシをどうやって使い分けますか

そこなんですよ。「インターケアー」が歯並びが悪い方向けというのは分かりやすいですが、それでずっと磨き続けるのかというと、それは違うと思います。要はその時の口腔内状況やその患者さんにとって磨きやすいブラシ選択することが大切だと考えています。ですので、その状況によって替ブラシの種類を変えた方が良いと思った段階で「インターケアーをずっと使ってらっしゃいますが、そろそろ別のブラシ、例えば「プレミアムシリーズ」(図12)にしてみませんか?」と提案することによって患者さんのモチベーションも維持できると思います。こうした私の方法が、歯科衛生士の皆さんのご参考になれば幸いです。

青色の毛束はブラシ交換サインの役割もあり、交換時期になると色が薄く抜けてきます。

  • [写真] プレミアムケアシリーズ
    図12 「プレミアムケアシリーズ」。左から「プレミアムオールインワン」「プレミアムクリーン」「プレミアムガムケア」「プレミアムホワイト」。

デンタルマガジン 180号 SPRING