今回は、歯科衛生学科を開設して3年目を迎えた大手前短期大学を訪問。充電式音波電動歯ブラシ「ソニッケアー使い方講座」を午前・午後で開催し、2年生の学生さん71名が受講しました。午後の授業の様子や、先生と学生さんに協力いただいた取材とアンケートで得られた教育現場と就職意識のリアルな声をご紹介します。
授業の前半は、(株)モリタの講師が日本人の口腔内のトラブルと、予防歯科における歯科衛生士の役割などを説明。セルフケアのお話では、充電式音波電動歯ブラシ「ソニッケアー」の様々な活用法や動画を紹介。また替ブラシの特長、使用法などを確認しました。
後半は、一人ひとりがソニッケアーを手に取り、操作方法や強弱モードの変化を確かめたり、手の甲で振動を体感。続いて顎模型を使い、「45度の角度」「押しつけない」「手の動きは最小限」の3つのポイントを押さえながら、ブラシの当て方を学習しました。
当校では、一般教養をはじめ、臨床歯科医学、看護学、解剖学、医療事務など多彩なカリキュラムの中で学びを選択できます。学生が受け身ではなく、積極的な姿勢で授業に向き合えるように、「なぜ、その学問を学ぶのか?」という理由と目的を明確に伝えるように心がけています。また、電動歯ブラシの授業を積極的に行っているのは、実際の臨床現場でも患者さんの問い合わせが多いことが理由の一つです。授業でいろんな種類や特徴を知り、臨床現場で活かしてもらいたいと考えています。
授業中や臨床実習中にわからないことや質問があっても、すぐに聞かない傾向があります。授業中に質問せず、授業後に個別に聞きに来ることがほとんどです。こういった状況に対応するため、各講師が部屋を開放して質問時間を設けたり、メールで対応することも増えました。どうすればその場で自ら発信できるようになるのかが課題です。
「人間関係の良い職場」を希望する学生が多いですが、それぞれの職場環境を外から知ることができない難しさはあります。また、小児歯科や矯正歯科などの専門医院で働くメリットやデメリットを気にする学生もいます。専門医院で歯科衛生士はなにを期待され、どのように活躍しているのか、理解していない学生がほとんどです。専門医院の先生方にはぜひ仕事内容を具体的にPRしていただければと思います。3年生になると臨床実習で実際の現場に触れる機会もありますが、できれば多くの医院様に就活中の学生の職場見学を積極的に受け入れていただけるとお互いの理解が深まると思います。
「今の若い人はしんどいことがあるとすぐに辞めてしまうので、注意しないようにしている」と気を遣われる先生方は多いですね。前職の卒業生と話していて感じることですが、間接的に誰かに言われるよりも、院長先生が直接、理由をきちんと示してその場で注意するという指導が受け入れられやすいようです。それぞれの医院様の基本理念をしっかり伝えていただき、それを貫くために何が必要で、何に気をつけるべきなのかを伝えていただくと学生は納得できると思います。
妹尾侑香さん:手磨きとソニッケアーでは汚れの落ち具合に大差がないと聞き、純粋に使ってみたいと思いました。大学に入学後、歯科衛生士として活躍できる場がたくさんあることを知りました。小児歯科や矯正歯科といった予防や審美に関わる専門医院をはじめ、歯科医院を後方でサポートするメーカーや企業への就職にも魅力を感じています。
金城星華さん:ソニッケアーは歯に軽く当てるだけでバイオフィルムを落とし、きれいに磨けるのがいいですね。小さい頃は歯科医院が怖く、歯磨きが嫌いでした。それが変化したのは、長年通っている歯科医院の先生や歯科衛生士さんのフレンドリーな対応のおかげです。私も患者さんが通いやすく、話しやすい雰囲気を心がけ、チームワークを大切にしながら活躍したいです。
中野千尋さん:近くの歯科医院で歯科助手のアルバイトをしています。最近は患者さんに予防の意識を高めてもらう伝え方も大事だと感じるようになりました。将来は、この大学に入学するきっかけになった憧れの先生のような講師を目指しています。そのために、まずは患者さんに信頼される歯科衛生士として、大学病院などで幅広く臨床経験を積んでいきたいです。
鷲野理花さん:虫歯が多かった幼い頃に、子どもが楽しく歯磨きできる「ソニッケアーキッズ」のような商品があれば使ってみたかったです。昔から歯科は怖いイメージしかありませんでした。その体験から、患者さんの不安や希望を医師に伝え、スムーズな治療につなげる医師と患者さんのパイプ役のような存在になりたいです。今は小児歯科や審美歯科に興味があります。