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DENTAL MAGAZINE デンタルマガジン

スペースラインEX特別企画
モリタ製作所の想い – より上質な使い心地を求めて。人間工学を追求し、未来を形にした理想のユニット。
株式会社モリタ製作所 技術開発部設計1課設計グループ主任 沼田 訓正 / 技術開発部次長 由利 正樹

モリタ製作所の想い
より上質な使い心地を求めて。
人間工学を追求し、
未来を形にした理想のユニット。

人間工学に基づく揺るぎない思想と新たなテクノロジーを吸収することで、常に時代をリードしてきたスペースライン・シリーズ。モリタ製作所のフラッグシップ・モデルとして最大限の技術力を注ぎ込み、昨年11月の東京デンタルショーにて発表、最新機種「スペースラインEX」が誕生しました。その開発におけるこだわりを株式会社モリタ製作所、技術開発部次長・由利正樹と同部設計1課設計グループ主任・沼田訓正に聞きました。

モリタ製作所

「 より上質な使い心地を追求 」

-スペースラインEXの開発には、どんなこだわりがあったのでしょうか。
由利:今までスペースラインを使っていただいていた先生にとっては、操作性はそのままに、使い勝手を向上させること。
初めてお使いの先生にとっても、その使い勝手のよさが確実に感じ取れること。
つまり、どなたにとっても心地よいユニットとなるように、細部まで妥協せず開発に臨みました。
沼田:マイクロスコープを一体化できるようにしたり、国内メーカーでは初となるIoT技術を搭載するなど、時代に合わせた機能や最新技術をプラスしたことも特長です。5年前から開発に取りかかり、2年前にはモリタの100周年がありました。そうしたタイミングもあり、今回はシリーズの中でも集大成にしようという意気込みが開発当初からありました。

-「使い勝手のよさ」とは、具体的にどんなことを指すのでしょう。
由利:例えば、今回、インスツルメントの仮置きハンガーにマグネットを入れました。ピックアップ時には抵抗なく持ち上げられ、リターン時にはしっかりとホールドするように、何度もテストを重ねながら磁力や摩擦力の設定値を決めていきました。些細なことですが、こうした部分に少しでもストレスがあれば、先生へのストレスに繋がります。ユニット全体からすれば小さなことでも、「こうなっていたほうが治療がよりスムーズになるのでは?」ということに関しては、手を抜くことなく、何度もテストを繰り返しながら、理想的な形を追求しました。
沼田:コントロールパネルで言えば、タービンを使用しているときはタービンの操作に関わる機能だけが光るなど、そのときに必要な機能を直感的に操作できるような工夫をしています。こうしたストレスをなくすための小さな工夫が随所に施されています。

沼田 訓正

どんな先生にとっても
メリットが感じられるユニットに
仕上げました。

沼田 訓正
株式会社モリタ製作所
技術開発部設計1課設計グループ主任

「 マイクロスコープとの相性を強固なものに 」

マイクロスコープ -スペースラインはマイクロスコープ診療との相性が良いと言われていますが、マイクロスコープが搭載できることでどんなメリットが生まれるのでしょうか。
由利:一体型になることで、その相性がさらに強固なものになったと考えています。例えば、位置決めがとてもスムーズに行えるようになりました。また、チェアの昇降スピードをスロースピードモードに切り替えることで、微妙な焦点距離の調整をフットコントローラーで操作できるようにもなっています。開発者から見たポイントとしては、昇降方式を垂直昇降方式にしている点も先生方にお伝えしたい部分です。スペースラインEXは、チェアの微妙な昇降の実現やマイクロスコープ自体を垂直に動かすことで照射野がずれることなくピントを合わすことが可能となっています。
沼田:コストを抑えるために安かろう悪かろうでは本末転倒です。あくまでも術者や患者さんを中心に考え、より最適な機構や機能を選択した結果が垂直昇降方式の採用でした。
マイクロスコープ

「 未来への礎となるユニット 」

-IoT技術について教えてください。
由利:あらゆるものがインターネットで繋がるIoT技術には、私たちとしても大きな期待を寄せています。例えば、スペースラインEXをデンタルオフィスコンピュータ「DOC-5」を介してオンラインサービス「DOOR Link」と連携することで、患者さんの受付やユニットでの待ち時間をアナウンスすることが可能となります。あるいは、ユニットごとの稼働状況のデータを取ることもできます。待ち時間が多い歯科医院さんは、患者さんに敬遠されてしまうものです。ユニットの稼働率を見える化し、「経営サポート」としてデータをご提供することにより、待ち時間を減らし、効率よく診療を進めるための判断材料に活用していただければと思っています。
沼田:操作をする際、関連した取扱説明書や使用ガイドがタブレットPCなどの画面に表示される「診療サポート」もIoT技術の大きなメリットですね。また、ユニットをモニタリングし、除菌カートリッジ等の消耗品交換の時期を知ることができます。この「メンテナンスサポート」も大きなメリットではないでしょうか。

  • 組立治具棚の写真
    各モジュールの製作に必要な治具を収納する「組立治具棚」。毎日使用する治具にも品質管理を徹底し、製品のムラが出ないようにしている。
  • 治具の写真
    「組立治具棚」から治具を取り出す。バキューム洗浄ボックスの製造に必要な治具(右側のボックス)が全て1つのボックスに収納・管理されている。
  • 作業標準書の写真
    「作業標準書」。すべての作業にこうした作業標準書が存在し、この手順書に沿って製造に取りかかる。
シートの内部写真

由利:私たちは、究極的には壊れる前に問題を検知して修理をするという「壊れないユニット」を目指しているんです。例えば、どういう治療のときにどんな負荷がユニットに掛かっているのかといったデータを集積し、正常動作しなくなる前に該当する部品をサービスマンが歯科医院に持って行き、メンテナンスをします。これが可能になれば、確認に出向き、必要な部品を取りに帰って、再び出向くというような時間のロスを解消できます。
沼田:IoT技術とは違いますが、スペースラインEXでは生産方式をライン式ではなくモジュール式に変更しました。モジュール生産方式とは部品を機能単位や周辺の部品単位で括り、ユニットを組み立てていく生産方式なのですが、例えば、5年後に新しい機能ができたとき、それに関わるモジュールだけを変えればバージョンアップができるようになります。あるいは、修理や仕様を変更する際にもモジュールごと交換するだけなので、簡単に短時間で作業が完了します。
由利:IoT技術やモジュール設計、モジュール生産方式を採用したことで「未来への礎となるユニット」、あるいは「未来を設計するユニット」、その大元となる機種が今回、完成したと考えています。そういう意味では、スペースラインEXは「進化し続けるユニット」と呼べるかもしれません。

「 患者さんにとっての心地よさ 」

-患者さんにとってはどんなユニットでしょうか?
沼田:スペースラインは、もともと自然な姿勢を長時間保つにはどうすればいいかという課題から誕生したユニットです。そういう性格のユニットだからこそ、座り心地や寝心地については、非常に重要視しました。例えば、腰の悪い方や小さなお子さん、体の大きな方、痩せた方など多くの方に実際に寝てもらいながら評価・検証を重ねていきました。
由利:一般的にふかふかなシートは、座り心地がよいと思われている向きがありますが、必要以上に柔らかいシートだと体を長時間保持しにくくなります。同じ姿勢のままでも疲れにくいシートにするために、土台やクッションの形状や硬さを工夫し、より体圧が分散されるように設計しています。実際に、シートに寝ていただくと、その心地よさを実感していただけるものと思います。

  • 組み立てられた部品をボックスに収納するの写真
    組み立てられた部品はボックスに収納する。こうしてモジュール化された部品が200種類以上組み合わされて1台のスペースラインが完成する。
  • ベースンの組立の様子
    ベースンの組立の様子。結合部分は全てクリップとO-リングによるパッキン止めで行い、ほとんどのモジュールはワンタッチで着脱することができる。
  • 昇降・起伏の荷重テストの写真
    昇降・起伏の荷重テストを行う。座面には150kgの負荷をかけ、設定通り動作するかを確認する。
由利 正樹

精密さを求める歯科の先生のための
ユニットだからこそ、ディテールまで
手を抜かないように心がけました。

由利 正樹
株式会社モリタ製作所
技術開発部次長

「 iFデザイン賞金賞を受賞 」

-スペースラインEXは、「iFデザイン賞2018」にて金賞を受賞しました。選考理由は、先生や患者さんともに理想的で洗練されたデザインであるというものでした。
沼田:先生や患者さんにとって理想的であると評価されたことは、開発者としてとても嬉しく思っています。新たな技術や機能を付加しながらも、飽きのこないシンプルなデザインにどう落とし込んでいくかという部分では非常に苦労があったので、なおのこと嬉しいですね。

-どんな苦労があったのでしょうか。
由利:例えば、デザインに一貫性を持たせるために、プラスチック部分と金属部分に視覚的な差異が出ないように素材を選定し、色味も念入りに合わせました。
また、繋ぎ目をいかにきれいに見せるかにも気を配っています。繋ぎ目はどうしても黒い影ができるので、そのラインがガタガタだと美しく見えないんです。そのほか、ネジが見えない外観も特長的で、徹底して視覚的に邪魔な物を取り除きました。
歯科の先生方は、審美的にも機能的にもディテールにまで細心の注意を払って治療をされます。そうした先生方が使うユニットだからこそ、ディテールまで手を抜かないように心がけました。

-どんな先生にお薦めしたいですか?
沼田:とかく開発者はいろいろな機能や情報を詰め込みがちになりますが、使う側の立場になって何が本当に必要な機能なのかを吟味し、使い勝手のよさにこだわりましたので、やはりすべての先生にお薦めしたいですね。
由利:フラッグシップ・モデルとして、私たちが現在持ち得る技術力のすべてを注ぎ込み、より一層の機能性、操作性、快適性を追求したのがスペースラインEXです。一度でも使っていただけたら、その最上級の心地よさを実感していただけるものと思っています。

  • 熟練したクラフトマンの写真
  • 熟練したクラフトマンの写真
    熟練したクラフトマンによる繊細な手仕事があって初めて先生方の様々な要望をカタチにすることが可能になる。

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