DMR ディー・エム・アール

No.201 2001年5月21日発行
進化したコンポジットレジン支台築造
柏田聰明、森田誠、加藤正治

Download (PDF, 288KB)

はじめに 失活歯に対する修復・補綴処置にあたっては、有髄歯の場合とは異なり様々な配慮が必要である。特に、歯冠崩壊の著しい歯の場合、修復・補綴処置後長期間機能させるにはあらゆる問題を克服しなくてはならず、多方面からの検討がなされねばならない。 失活歯を補綴する場合、過去には歯根に挿入されるポストと、それによって維持される歯冠部が一体となった継続歯が用いられていたが、近年では鋳造金属により支台築造を施したうえで歯冠補綴を行う方法が一般的であり、これが最良とされてきた。しかし、この鋳造支台築造においても補綴物の脱落や歯根の破折などのトラブルがあとをたたないのが現状である。一方、コンポジットレジンによる支台築造は直接法については以前から臨床応用されてきたが、二次齲 の発生や脱落などを理由に信頼性が低下していたのも事実である。この原因としては、これまでの接着性レジンが象牙質に対して接着性が不十分であった点と、直接法によりレジンを一塊として  するため,大きな重合収縮が発生する点などが接着界面の破壊を招く要因として挙げられ,結果的にこのようなトラブルにつながったものと考えられる。 近年では支台築造の方法や築造体の材質について多くの研究が行われるとともに1~6)、接着性レジンセメントの象牙質に対する接着力が大幅に向上したこともあって、過去におけるコンポジットレジンレジン支台築造の欠点は大幅に解消され、鋳造支台築造よりも良好な結果が得られるようになった。特に間接法によるコンポジットレジン支台築造は、接着時の重合収縮を限りなく小さくすることができるメリットがある。他方、直接法でも重合収縮が低く抑えられる場合は、現在の接着システムを用いれば問題なく使用できるようになってきた。また、破折や脱落防止の対策として、咬合力に対する応力緩和も重要であり、築造体の材質を金属からレジンに変えることにより、弾性率が歯質に近似することから接着界面でのトラブルが生じにくくなっている。 このように最近では、コンポジットレジン支台築造の有用性が実験と臨床成績から証明され確実になってきた。本稿ではこのコンポジットレジンによる支台築造法の特徴および技工操作、ならびに臨床術式について紹介する。人に優しい歯科診療を考えるデンタルをテーマに明るい情報をお届けします。 C O N T E N T SISSN 0915-0765デンタル・マンスリーレポート No.201 2001年5月21日発行PUB No. SPCC-06.028-1-201.0105.80,000 SI.LK-SU編集・発行 商品本部 DMR編集室モリタのインターネット・ホームページ“DENTA L PLA ZA” http://www.morita.com●掲載商品は予告なく仕様変更することがありますので予めご了承ください。●ご使用に際しましては、製品に添付の使用説明書を必ずお読みください。●このパンフレットは再生紙を使用しています。東京本社 東京都台東区上野2-11-15 〒110-8513 TEL:03-3834-6161大阪本社 大阪府吹田市垂水町3-33-18 〒564-8650 TEL:06-6380-2525商品本部柏田 聰明※・森田 誠※※・加藤 正治※※※関 連 商 品※ 東京:恵愛歯科※※ 東京:恵愛歯科勤務※※※ 東京:高輪歯科1:根管形成後、ADポストIIの試適を行う。応力緩和を目的としてポスト孔より1サイズ小さいものを選択する。ポスト孔が太く漏斗状を呈している場合はADポストIIの周囲にフォトコアが介在するように作製する。ポスト先端部は照射器の光が届きにくいため積層による築盛が必要である。3:ADゲルを塗布し1~2分後、水洗・乾燥。5:根管内に溜まったプライマーはブローチ綿花、ペーパーポイント等で拭き取る。7:ポストは歯面に密着しないように根管の中心に植立し少し浮かせた後、光照射を行ってペーストを硬化させ、ポストを固定する。9:硬化後、既製のテンポラリークラウンを撤去。2:根管内にK-エッチャントゲルを塗布し10秒後、水洗・乾燥。4:EDプライマーIIを塗布し30秒後エアーブロー。6:パナビアフルオロセメントのペースト(ホワイト)を練和後ADポストIIに塗布し根管内に挿入し、溢れたペーストは歯質とポストに小筆等でまんべんなく塗り拡げる。8:DCコアを練和し、あらかじめ調整しておいた既製のテンポラリークラウン内に 入後、支台歯に圧接し、光照射する。光が届かない所は化学重合で硬化させるため5~6分放置。10:支台歯形成を行ったところ。ポスト孔と既製ポスト間のレジンセメント層が薄い場合ポスト孔と既製ポスト間のレジンセメント層が薄い場合ポスト孔が太く漏斗状を呈している場合ポスト孔が細く形態がADポストIIに近似している場合は、ポストはやや細めを選択し、歯質と接着後にポスト周囲に接着性レジンセメントが介在するように作製する。セット内容クリアフィル DCコア:キャタリストペースト(6.5mL<13.3g>)×1/ユニバーサルペースト(6.5mL<14.6g>)×1/パナビアフルオロセメント EDプライマーIIA液(4mL)、B液(4mL)/クリアフィル フォトボンド/キャタリスト液 6mL/ユニバーサル液 6mL/混和皿、スポンジ、練和紙、練和棒●医療用具承認番号21200BZZ00395セット内容パナビアフルオロセメント ペースト:Aペースト(2.3 mL<5.0g>)×1/Bペースト(2.3mL<4.6g>)×1/EDプライマーIIA液・B液(各4mL)/アロイプライマー(1mL)/オキシガードII(6mL)/混和皿、練和棒、練和紙、ディスポ小筆ホルダー、ディスポ小筆ブラシ、オキシガードII先端ノズル、遮光板、チャートシートセット(ブラウン)セット(ホワイト)4.4g×3本 ●医療用具承認番号16100BZZ01450セット内容プライマー(6mL)×1/ボンド(5mL)×1/クリアフィルポーセレンボンドアクティベーター(4mL)×1/混和皿、遮光板、スポンジ小片、ボトルケース、チャートシート●医療用具承認番号21000BZZ00484フルサイズセット(20種各12本入) 単品     (12本入)    ●医療用具承認番号20600BZZ0100410mL(ノズル5個付) ●医療用具承認番号20500BZZ01050歯科用複合レジン  材料(デュアルキュア型・支台築造用)クリアフィルDCコア光重合型支台築造用接着性コンポジットレジンクリアフィル フォトコア歯科接着用レジンセメントパナビア フルオロセメント歯科コンポジットレジン用接着材料クリアフィルメガボンドポーセレンボンディングキット支台歯築造用ポストADポストII全形態セット(54形態 各5個入 270個入)●医療用具承認番号14900BZZ00233ポリカーボネート樹脂製テンポラリークラウンJMポリクラウン歯面処理剤ADゲル●医療用具承認番号21200BZZ00376  進化したコンポジットレジン支台築造●鋳造支台築造への疑問●弾性率を考えた設計●間接法の有用性●歯冠補綴物マージン部の確実な接着●ADゲル法/パナビアフルオロセメントによる接着臨床術式 間接法術式(大臼歯) 直接法/間接法(前歯・小臼歯)関連商品直接法/間接法(前歯・小臼歯) 特集直接法 間接法

DMR

モリタ友の会 セミナー情報

セミナー検索はこちら