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第13回(120号)

叱られたことありますか?~叱られ上手になるには~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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叱られたことありますか?~叱られ上手になるには~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

「皆さんは仕事をしていてうれしかったこと、嫌だったことはどんなことですか?」この質問は、私が担当させていただいている患者接遇セミナーの参加者の自己紹介でお伺いしていることです。
最近行ったセミナーの参加者から話していただいた“嫌だったこと”として「院長に叱られたこと」ということが何名かのスタッフの方から挙げられました。
そういえば、最近ほかの企業の研修にうかがった際にも、「最近の若い子は叱るとすぐに辞めてしまう。だから下手に叱れないよ」という悩みを先輩社員の方から伺いました。実際、娘の友人の男子学生は、コンビニのアルバイトに行った初日に「叱られたから腹が立った」と、たった一日で辞めてしまったそうです。
最近どうもこの手の話をよく耳にするのはなぜなのでしょうか。家庭や学校で叱られることが少なくなったからでしょうか。
たとえば躾ができていないとしても、見て見ぬふりだったり、親が「まあいいか」とかばってしまったり、甘やかしているのかもしれません。
しかし、社会に出たらそうはいかないのです。早く正確に仕事を覚えてもらわなくては、企業や医院の印象や信用を落としてしまうかもしれないのです。
甘やかして放っておくわけにはいきません。そのミスが大きな問題に発展してしまうかもしれないし、他の社員やスタッフに迷惑をかけてしまうかもしれません。
つまり、仕事は一人でやっているのではなく、協働しているのだということです。そのことをしっかりと分からせ、早く一人前になってもらいたいという思いで、上司や先輩は叱ったり注意したりするのです。
確かに叱られたときはショックで落ち込んでしまうかもしれません。私もそうでした。でも後で考えれば、そのときに叱られたからこそ、再び繰り返さずに済んだのだと思います。
いま私も教える立場に立ち、注意するたびに思うことですが、やはり注意したことで嫌な空気にしたくはないし、注意したことで嫌われたくありません。私も人間です。でもそれが私の役目なので言葉を選んで伝えているのです。
しかし実際のところ、注意したことですねてしまったり、何度言っても変わろうとしなければ、その後注意はしません。言っても無駄だと思うからです。
もちろん注意した方が素直に受け止め、改善しようとする努力が見えたときには、とてもうれしくなります。もっと伸ばしてあげたいと思い、力が入ります。
つまり社会に出た時、注意されるうちはまだ期待されているということなのです。
“言われなくなったら終わり。注意する側も辛い。”あなたが、注意されたり、叱られたときにはこの言葉を思い出してください。
よく上司や先輩が教えにくい、指導しにくいタイプとして言われるのが、次のようなタイプです。

  • ・反応がない。
  • ・真剣みが感じられない。
  • ・わからないことがあっても聞いてこない。
  • ・言われたことだけして、自分から工夫しようとしない。

つまり、“打てど、響かず”というタイプでしょう。

その正反対に“打たれ強い”という言葉があります。
先日の研修である一人が自己紹介の中で「叱られたときは嫌だったけど、後になって考えるとそのときに言われたことが今の自分にプラスになっています。将来は医院にとってなくてはならないスタッフになりたいです」とおっしゃっていました。
といっても、まだまだ改善すべき点はたくさんある方で、ほかの方よりもたくさん注意はしたと思います。しかし、彼女は注意したことに対する反応が素直であり、なおかつ負けず嫌いで一生懸命取り組んでいました。まさに“打たれ強い”タイプといえるでしょう。
そして彼女は叱られ上手ともいえます。叱られ上手とは、ただ素直に謝るだけではないのです。いくら素直でも、注意されたことを再び繰り返すようでは注意した意味がありません。
本当の叱られ上手になるためにはどうすればよいでしょうか。
まず、一度注意を受けたり教わったことは、しっかりとメモを取っておきましょう。それが作業のミスや対応のミスであれば、“なぜそうしてはいけなかったのか”、“なぜそうすべきであったのか”振り返り考えましょう。
もしわからなかったら、自分から聞くことが大切です。理解できたら、正しいやり方を繰り返し練習し、確実にしていきましょう。その上で、言われなくとも自分から工夫して行動することが求められています。
つまり、期待され本当に役立つ社員、スタッフになるためには、素直さだけでなく、注意力、積極的に学び取ろうとする意欲、そして工夫する力が必要です。
上司や先輩が教えたいと思い、教えられる側も早く仕事を覚えたい、注意されたことをしっかりと受け止めるという気持ちが一致してこそ、さらにチャンスを与えられ、成長も早くなることでしょう。
ちょっと厳しめに叱られたときは、少しぐらい落ち込んでも仕方ありません。でも、その後どう考え、行動するかを一番見られているのです。
叱られた経験のない方にとっては、すこし厳しいかもしれないですが、気持ちの持ち方を切り替えて、ぜひ頑張ってほしいのです。きっと認められる日が来ますよ。

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