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第23回(130号)

新人育成は先輩次第?~仕事の基本~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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新人育成は先輩次第? ~仕事の基本~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

この春初めて仕事をスタートした新人の皆さん、少しは仕事に慣れていらした頃でしょうか?
どんなお仕事であっても、人と接する仕事をする上で基本となるポイントは、「正確さ」「迅速さ」「感じよさ(丁寧さ)」の3つです。
この3つのことが状況に応じてバランスよく機能できるようになることが重要です。特に接客業であればなおさらです。接客業において“感じよさ”は当たり前といってよいぐらいお客様満足を高めるポイントではあります。と同時に近年は“早い、スピーディ”であることも重要なサービスのひとつです。
先日、宅急便を出すためにコンビニエンスストアに行きました。ひとつは着払い、もうひとつは元払いで、伝票もすでに書いておきました。
2つの荷物を差し出すと、にこりとも反応をしない店員が荷物を手に取り、画面の情報を見ながらもくもくと何かを調べていました。
ひとつの荷物は着払いなので、受け取り伝票をもらうだけなのですが、なぜかやたらと時間が掛かっているなと思っていると、いきなり「料金は0円になります」というのです。
不意に「えっ??」と思いましたが、確かに着払いですから“0円”に間違いありません。しかし、今までこのような表現をされたことがないのでちょっと戸惑い、(まるで機械みたい)と思っていると、今度はもうひとつの荷物の伝票に手を伸ばしました。
内心「まだひとつしか終わっていないんだ~」と少しいらいらしていると、今度はメジャーを持ってきて慎重に箱の外寸を測り始めました。それで料金が決まるかと思いきや、もう一度慎重に外寸を測り始めました。
そして提示された料金はいつも同じ箱を出すときよりも高い料金でした。おそらく1センチほどオーバーしていたからでしょう。いつもならぎりぎり小さいほうのサイズとして取り扱ってくれます。しかし、1センチとはいえ、オーバーはオーバーなので、彼は正確性を重視しているんだと思い黙って見ていました。
やっと伝票処理が終わり、(いつもより多めの?)料金を支払ってやっとのことで店を出ました。
80メートルぐらい歩いたでしょうか。いきなり先ほどの店員が私の前に立ちはだかり、「あの~これ…」といって宅急便の受け取り伝票を持ってきたのですが、すぐに「あっ!!」と言って再びその伝票を持って店のほうに走って戻っていきました。
一瞬あっけにとられたのですが、「はは~ん、受け取り印を押すのを忘れたんだな」と察しがつき、彼の後を追って店に戻りました。
そしてやっとのことで先ほどの宅急便の受領書を受け取り、彼にとってのひとつの仕事は完結しました。しかし、彼が店から走り出たときにはカウンターには店員はおらず、お客様が並んでいました。
おそらくまだ新人なのでしょうね。しかし、それにしても仕事は遅くマイペース、かといって正確さも欠けている、何より笑顔での挨拶もなく…。こんな状態で店を任せてよいのでしょうか。彼に対する不満というより、そんな状態を誰もフォローせず、一人に任せている店側に不満を感じました。

もちろん、これらが最初から一度にうまくできる人はいないでしょう。一番優先されることは、「正確さ」です。どんなに愛想がよくても間違った対応や説明、処理をしたのでは、お客様や関係者に迷惑をかけたり、クレームにつながってしまいます。
まず、新人の段階では正しい知識を覚え、それがすぐに出せるよう何度も繰り返し覚えようと努力することが必要でしょう。
それができても終わりではありません。知識として頭に入ったら、今度はそれらを実際に使えるよう、動作や作業であれば、何度も繰り返して少しでもスムーズに、スピーディにできるよう練習を繰り返すことも必要でしょう。
これらはいきなりお客様の前や現場で行うのではなく、見えないところで練習をするのです。
そして、実際にお客様に対して行うときは、新人だけで行うのではなく、先輩にも立ち会ってもらい、万が一失敗したりうまくいかないときにも、すぐにフォローしてもらえるようにすることも大切です。
というのも、新人だからといってお客様が容赦してくださるとは限らないのです。
お客様や関係者に迷惑がかからないようフォローをすることは、その企業、店の信用にも関わることなのです。そして新人は、そのときのアドバイスは真摯に受け止め、次に生かすことが大切です。
この時期、新人も多く、指導する側、仕事を覚えていく側、いずれも大変だとは思います。しかし、新人だから仕方ない、という甘えた気持ちをどちらもが持ってはいないでしょうか。
新人だから許されることではありません。仕事をする上での最低限のポイントである「正確さ」「迅速さ」「感じよさ(丁寧さ)」どれかひとつに偏るのではなく、3つがバランスよく身についていくよう、ご本人はもちろんですが、雇う側、指導する先輩も責任を持ってフォローをしていただきたいものです。
皆さんの歯科医院にも新人さんはいらっしゃいますか。もしもいらっしゃるようでしたら、ぜひ一緒にロールプレイングを行ってあげたり、練習の機会を持たせてあげてください。新人が早く仕事を覚えるかどうかは、先輩方の責任でもあるのですよ。

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