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第28回(135号)

リーダーになったら② ~“仕事の教え方-相手を動かす説明”~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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リーダーになったら②“仕事の教え方―相手を動かす説明”

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

前回の号では“もしリーダーとして新人の育成を任せられたら…”という状況にある方々に向けて意識して欲しいコミュニケーションとして“話し上手、聞き上手”という話をさせて頂きました。
今回は、後輩を指導する際に意識したいコミュニケーションの取り方として“説明をする-仕事の教え方のポイント”についてお話しましょう。
前回もお話したように、良い仕事、良い仕事環境、良い患者応対をしていくためには、まず院内コミュニケーションをスムーズにすることが大切です。
新人に仕事を教え、成長していく援助をしていくことはリーダー、先輩として大切な役割ですね。新人が早く仕事を覚え、自主的に動いてくれるようになると、リーダー自身も自分の仕事に集中できますし、医院内の仕事もスムーズになります。仕事の仕方を指導していくためには、正しい“仕事の教え方”を知ることが必要です。
まず指導のスタート時にしっかりと伝えることがあります。それは、その職種の仕事の範囲、どのようなことをするのか、何ができるようになって欲しいのかなど、その職種に求めること、将来像、つまり到達地点を大枠でイメージさせることが大切です。
新人だから、求めても仕方ないと思って、目の前の雑用ばかりをさせていると「何のためにこんなことばっかりやらされるんだろう」「なんだか思っていた仕事と違うよね」と挫折してしまうかもしれません。
まずは目標を設定し指導計画を立て、それを伝えましょう。「いつまでにこれができるようになって欲しい、そのためにまず○○ができるようにしよう。それができるようになったらいつ頃に、△△をやってみよう。そのあと・・・」というように指導と成長のステップを示し、指導する側の期待を伝えます。つまり動機付けをするのです。
そうすることで、新人も「今は雑用だけど、これができるようになったら○○をさせてもらえる」「早く△△ができるように頑張ろう」と意欲的に仕事を覚えようとするはずです。
大枠がイメージでき、動機付けができたら、さっそく各仕事の説明です。作業を教える際に大切なことは、「何のためにそれをする必要があるのか」ということです。
作業を教えるときにはイレギュラーなことや臨機応変なことからは教えません。まずは“基本”的なことをシンプルに教えます。
もしその作業の目的-何のためにそれをする必要があるのか、ということを教えていないと、言われたことしかしない、形だけやっているという人、いわゆるマニュアル人間、指示待ち人間になる危険性があります。
目的、ポイントを教えておくことで、たとえイレギュラーなことが出てきたり複雑になったとしても、自分で考えて取り組むことができます。つまり臨機応変にできるようになるのです。そのためにもその作業の目的、ポイントはしっかりと押さえて下さい。
その上で、リーダー、先輩が“やってみせる”、つまり手本を示してください。このときに注意して欲しいことは目的、ポイントが分かりやすいように、基本に沿って、シンプルに見せるということです。先輩が幾ら熟練しているからといって、いきなり応用形を示さないということです。
手本を示したら次にやらせてみます。

一度に説明するのではなく、一つの作業の説明ごとに実際にやらせてみます。そしてできたことをまず褒め、できていないこと、改善が必要なことについて一つアドバイスします。その上でもう一度やらせてみます。一回ずつできたことを褒めることで、できなかったことをできるようになりたい、と意欲が出てくるはずです。
さらに評価するだけでなく、新人本人の口から再度その作業のポイントを言わせることで理解を確認し、分からないことを引き出します。
その上で、暫く実際にさせてみて様子を見て下さい。もちろん教えたら教えっぱなしはダメです。暫く様子を見てから、再び評価をし、次の仕事を教えていくのです。
このように、①目標を示す、動機付け→②手本を示す→③やらせてみる→③評価をする→④様子をみる、評価する→次のステップへ…というように、教える側もしっかりと計画を立て、ステップを踏んで教えていくことが大切です。
教える際に意識して欲しいことは、分かりやすい説明の仕方です。聞き手の知識や理解度に合わせ、理解できる言葉や順序を考えて伝えていけるように、事前に頭の中で上手くまとめておきましょう。
前回にもお話したように、スタッフは一人ひとり性格や経験も違いますし、仕事に対する意欲も違います。同じことを教えてもすんなりと理解できる方もあれば、難しく感じている方もあるでしょう。わからないことがあってもすぐに質問できる方もいれば、何を質問したらよいかもわからず、取り合えず「はい」「わかりました」と返している方もいるはずです。
説明をしたら必ず理解度の確認、質問を引き出しておきましょう。つまり指導も双方向のコミュニケーションなのです。
実際、私が実施させていただいている患者接遇セミナーに参加されているスタッフの方からお話を伺うと、採用後3~4ヵ月でもかなり自信を持って仕事に取り組んでいて「もっと仕事を覚えて行きたい」と意欲的な方もあれば、既に採用後1年以上もたつのに、まだ新人の気分で「頼りないかな・・」と思える方もあります。
いつまでも独り立ちしてくれなければ、大変なのは先輩であり、リーダーです。少しでも早く新人が一人前として役立つように指導し、やりがいを持って自分から積極的に覚え、動こうとするスタッフを育てられるよう、指導の仕方を工夫してみて下さい。

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