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第30回(137号)

リーダーになったら④ ~リーダーに必要なコミュニケーション~ “話し合うこと”

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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リーダーになったら④~リーダーに必要なコミュニケーション~“話し合うこと”

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

昨年から、3回にわたり「リーダーになったら」というテーマでお話ししてきました。今回は4回目として“話し合うこと”についてお話ししましょう。
皆さんの職場で話し合うということは、リーダーとスタッフが同じ目線で意見を出し自由に活発に討議することです。ですから、リーダーだけでなく、新人スタッフの方もぜひ読んで下さい。
私は外食をする際、たくさんの店があるにも関わらず、同じ店に定期的に行ったり、何か特別なことがあるときにはこの店と決めている傾向があります。
皆さんはどんな理由で、お気に入りの店を決めていますか。私の場合、もちろん味は大事なポイントですが、その次のポイントは店の雰囲気です。豪華とか、おしゃれとかいうのではなく、清潔感があり、暖かい雰囲気やスマートさがあるかということです。
そして、何より雰囲気の決め手になるのはスタッフの対応です。笑顔で応対が良いということはもちろんですが、それよりも気になるのがタイミングの良さということです。注文を聞きにくるタイミング、料理を持ってくるタイミング、用があって呼ぼうとしているときの気付きのタイミング、そして気の利いた会話…などです。
これらのタイミングや会話が良いと、料理の味や店の雰囲気も相乗効果で上がっていくような気がします。逆にそれらが悪いと、せっかく味で満足していてもがっかりしてしまいます。
選ばれる店、お客さんが再来店する店になるためには、味だけではなかなか難しいと痛感しています。これって、歯科医院でも同じなのかもしれませんね。
歯科医院を選ぶポイントとして、あるアンケートデータによると、

  • ・わかりやすく治療の説明をしてくれる
  • ・費用の説明をきちんとしてくれる
  • ・痛みが無い、少ない治療法
  • ・先生はもちろん、スタッフも親しみやすく話もしやすい
  • ・最新の機器や設備がある
  • ・院内感染には細心の注意を払っている
  • ・院内が清潔である
  • ・待ち時間が短い
  • ・通院回数が少ない
  • ・歯磨きの指導をしてくれる

などの回答がありました。
つまり、以上のような事柄を実践すれば、患者さんにとっては良い歯科医院・良い歯医者さんということになるはずです。もちろん上記のアンケート結果以前に「歯科医師の技術」は一番重要なことですが、歯科医師と共に治療にあたる歯科衛生士、歯科助手、受付、歯科技工士の存在もとても重要です。
では、医院側が一生懸命スタッフを研修に参加させたり、マニュアルを読ませても、なかなか思うようにいかないことがあるのは何故でしょう。それは恐らく一方通行のコミュニケーションだからではないでしょうか。
例えば、費用の説明をきちんとしたとしましょう。しかし、それが患者さんの要望に沿っていなかったり、理解できていなければ、患者さんは不満が残ります。どうして欲しいのか、どうだと希望に沿い納得できるのか、患者さんの気持ちや意見に耳を傾け、疑問や不安を解消することが必要です。

また通院回数についても、回数が多くても毎回短い時間で済ませたいと考えている方もあるでしょうし、1回当りの診察にじっくりと時間を掛け、お口の中をしっかり健康できれいな状態にしたいと考える方もあるでしょう。相手によって、考えていること、思いは違うのです。
さらに“話しやすい”ということはとても大切なことですが、相手によって話しかけて欲しくないときもあれば、触れられたくない話題もあるかもしれません。つまり相手の様子を見て話しかけるタイミングや内容も違ってくると思うのです。マニュアル通りに誰にでも同じ表情、話題、言葉遣いでは通用しないこともあるのです。
では、どうすればタイミング良い対応や、話し掛けができるのでしょう。それは“相手を知ろうとする”ことではないでしょうか。症状はもちろんのこと、患者さんの性格やライフスタイル、その日の様子、つまり患者さんとしてだけではなく、一人の人間として接していくことが必要だと思うのです。
立ち入った話をしようというのではなく、相手を知ろうとすればおのずと相手に興味を持ちますし、相手の目を見て会話をすることが多くなるはずです。また相手の話も興味を持って聞くことで心を開いて話してくれるようになるでしょう。当然相手をしっかりと見ていれば、話し掛けたり、対応するタイミングも合ってきます。
感じがいいな、安心できるなと感じるスタッフは、自然にこれらのことを実践しているのではないでしょうか。
リーダーの心得として、コミュニケーション力を磨くことが必要であるとお伝えしましたが、スタッフ全員が双方向のコミュニケーションを心がけていくことが必要です。
その場で気付いたことを教えていくことももちろん大切ですが、スタッフが自分から考えて取り組むことが必要です。どんなときにどうすればよかったのか、あの患者さんはどんなふうに接するとよいだろうか、こんな工夫があるといいのではないだろうか。
また仕事以外で良いなと感じたサービスや不満に感じたこと、疑問などについても話し合ってみて下さい。新しいサービスを生み出したり、気遣い、タイミングを共有するチャンスになるはずです。
スタッフで話し合う機会を多く持つことで、患者さんとはもちろんのこと活発な院内コミュニケーションを図り、創意工夫のある医院を目指してください。

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