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アシスタントのためのイメージアップ講座

第31回(138号)
リーダーになったら⑤ ~Evaluate・・・・評価すること、認めること、正しく判断すること~
株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子
ASSISTANT ASSISTANT

リーダーになったら⑤~Evaluate・・・・評価すること、認めること、正しく判断すること~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

今回は、リーダーに必要なコミュニケーションの一つ『Evaluate』についてお話ししましょう。
先日、毎年実施しているモリタの接遇セミナーが行われました。まだ仕事に就いたばかりの方から20年近くのベテランの方まで、幅広い仕事経験の方々が参加して下さいました。4月という時期でもあり、半分近くの方々が仕事経験1年未満の方でした。
毎回、研修の実施前には、参加スタッフの医院の院長に、アンケートをお渡しし、研修を受講するに当たって、受講者に望むことをお伺しています。研修の中で、直接ご本人にお伝えすることはないのですが、講義の中でそれらのご要望を織り交ぜてお伝えしています。
研修終了時には、各受講者の方に研修を通じて感じたことと、今後何から取り組んでいくのか具体的な行動目標を書いて頂いています。
その内容を見ていますと、直接ご本人に「貴方が改善すべき点は…」などと伝えていなくとも、「自分が改善しなくてはならない点は○○だと気付きました」と理解している方が多いのです。
例えば、「注意された時、拗ねたり、気分を顔に出さないようにしよう」とか、「素直に受身的にしているだけではダメで、自分から自発的に動くことが必要なのだと思った」など、ちゃんと自分のことは分かっているんだと感心しました。また、ロールプレイング中に、「笑顔が出るようになってきましたね」「話し方が明るくなってきましたね」など、軽く褒めただけでも、終了時の感想を見ると、「笑顔がよいと褒められたので、自信を持って笑顔を出すようにしようと思う」というように、私が言ったことを覚えていてくれて、それが自信につながっているのかと思うと、こちらも嬉しくなります。
巷の社会人1年生も、職場の雰囲気に慣れてきたと同時に、一方では精神的に不安定な状況に陥っている方もあるのではないでしょうか。毎日新しいことを教えられ、それをできない自分に焦りを覚えていたり、やっていけるのだろうかという不安を感じている方も多いと思います。
そんな時、何気ないことで褒められたり、認められることで、どれだけ勇気付けられることでしょう。
私も新人時代に同じような状況を経験したことがあります。できていないことをその都度指摘され、先輩のようにできない自分に焦り、自信喪失に陥っていた時、ある先輩に「前よりもずっと○○がスムーズにできるようになっているよ。△△ができるまで、あと少しだね。頑張れ!」といわれた言葉で、大変勇気付けられ、自信を取り戻していったことを今でも覚えています。もちろんできていないことはたくさんあったと思いますが、その先輩からのアドバイスは、どんどん吸収しようと思い、また褒められたいと思って頑張った記憶があります。

人間は、誰でも認められたいという欲求があります。それは子供であっても、大人であっても同じです。自分のことを認めてくれる人の言葉には、素直に耳を傾けようとします。かといって、褒めるべきことでないことを褒めたり、過大評価することは避けましょう。褒めるに値しないことは、本人も周りの人もすぐに見抜いてしまうので、効果は期待できません。褒めるということは、意外と難しいことかもしれません。ただ、「いいね!」だけでは、漠然としていて、褒められてもピンとこないはずです。 
正しく評価し、褒めるためには、よく観察しておくことが必要です。日頃の様子を見ていると会話をしている中で、その変化に気付くことができるのです。
褒めるときのポイントは、

  • 【具体的に褒める】
  • 【気づいた、その時に褒める】
  • 【小さな成果も褒める】
  • 【結果だけを見るのではなく、その経過も褒める】
  • 【褒めた行動がいかに役立つのか、どんなことに繋がるのかを伝える】
  • 【職場の活性化を促すためにも、人前で褒める工夫も必要】

など、褒めると一言で言っても、工夫が必要です。
また、“褒められて伸びる”という言葉がありますが、ただただ褒めているだけでは、伸びません。“アメとムチ”という言葉があるように、褒めると同時に、できていないこと、改善すべき点ははっきりと伝えることが必要です。
注意する時のポイントは、

  • 【1対1で注意することを原則とし、他者の前では注意しない】
  • 【タイミングよく、短い時間であっさりと注意し、後に引かない】
  • 【冷静に、理論的に(何がどうしていけないか)注意する】
  • 【本人の言い分にも耳を傾け、一方的に注意しない】
  • 【注意した後にはフォローする】

ことです。
注意したことが、“怒っている”と伝わるのではなく、“育ってほしい、育てたい”という気持ちからの言葉でなくてはいけません。時には、その気持ちを伝えることも必要かもしれません。
スタッフが「先輩や先生は、厳しいけれども、自分のことを認めてくれている、期待してくれている」という気持ちが持てるようになれば、「先輩や先生にさらに褒めてほしい、認めてほしい」と思い、前向きに努力して行けるのではないでしょうか。決して甘やかすのではなく、褒める、注意するというコミュニケーションをしっかりと図って、スタッフの育成に当たっていただければと思います。

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