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第34回(141号)

顧客満足に向けて その1 ~3つのサービスとそのバランス~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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顧客満足に向けて~3つのサービスとそのバランス~

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

つい先日のことですが、我が家の電球が切れる時期にさしかかっていたので、節電のためにも照明をLED電球に変えようと思い立ちました。色々な種類の電球をつけていたので、間違えてはいけないと思い、もともとついていた電球を持って家電量販店に行きました。
LED電球は、最近の売れ筋商品ということもあり、店舗正面に近い位置に大きくコーナーがありました。そこには『商品選びのお手伝いをします。お気軽にお尋ね下さい』と書いて担当店員の顔写真が貼ってありました。
あまりにもたくさんの種類の電球が並んでいるので、どれを選んでよいのか分からず、やはり店員の方に尋ねることにしました。幾つかの種類の電球が必要だったのですが、一つ一つ選んでくれ、買い物籠も持ってくれて、その後親切にレジまで誘導してくれました。合計で2万円ぐらいでしたが、おかげでスムーズに気持ちよく商品を買うことができ、家に帰りました。
さっそく電球を交換しようとしたのですが、なんと!幾つかは合っていたのですが、メインの電球7つが合わないのです。口径が1mm違ったのです。こんなことがあってはいけないと思い、わざわざ現物を持って店に行ったのにがっかりです。とりあえず交換してもらおうと店に電話をしました。
電話口に出た店員に事情を説明したところ、「そうですか。交換しますから、持ってきてください」と言われました。こちらとしては、現物を持って行っている訳だし、しかも商品アドバイザーとやらに選んでもらっているのですから、またわざわざ出掛けていって交換しなくてはいけないなど納得がいきません。
現物を持っていったにも関わらず間違っていたことを再度言うと、「それは販売員も分からなかったのですから、仕方ないですね。それでしたら返金します」とあっさりと言われたのです。その応対の仕方に怒りさえ出てきました。
その後、店長からお詫びの電話があり、それなりに丁重な応対でしたが、結局返金してもらい、電球は別の店で探すことにしました。
私が欲しかったのは、謝ってくれることでも返金でもなく、ちゃんと合う正しい電球がほしかったのです。
別の日、まったく違うことですが、仕事で使っているハンディカセットテープデッキが急に故障しました。今の時代、カセットデッキなど購入する人も少なく、店によっては取り寄せになることがあるので、インターネットで在庫がある店を検索しました。
すると『2時までの注文であれば市内は当日中に配達します。送料無料』という店舗が見つかりました。さっそくネット上で注文したところ、当日の夜、直接店舗の配送係が配達してくれ、仕事も終えることができました。購入費用は送料無料で3,980円でした。
翌日配送というサービスは良く見かけますが、こんな少ない金額でも、こんな便利なサービスをしてくれる店が出てきたんだとびっくりしました。ただ、後から電話をし領収書を添付して欲しいと伝えたところ、「かしこまりました。同封させていただきます。担当○○です」といってくれたにも関わらず、領収書が同封されていなかったことが少し残念でした。どちらの店も有名な家電量販店です。

どんなに販売員が親切丁寧であっても、正確性がなくては顧客の満足を得ることはできません。またどんなに一人の店員が親切丁寧であっても別の店員がとんでもない応対をすれば店の信用は失われます。インターネットショッピングが普及している今、どの店も顧客獲得に苦労しているはずです。価格競争だけにならないよう、販売員による直接販売のメリット、配送システムなど工夫をしているようです。
顧客満足に向けてのサービスとは、

  • ① 商品そのものの品質、価格
  • ② 商品を購入するまでの流れ、購入後のフォローといったシステムの質
  • ③ ①②に関わる人の応対の質

と、大きく分けて3つあります。
これらのサービスに力を入れて他社から秀でていくことは、選ばれる企業になるために必要なことでしょう。
しかし、今回感じたことは、どれかが秀でていたとしても、他のサービスで不満を与えてしまっては、本当の顧客満足には至らないということです。せっかくの各サービスを生かすためにも①②に携わる“人の応対の仕方”は重要です。
人の応対は、接客マナーがよい、感じよいということは当たり前です。また一人だけが秀でていてもだめで、全体のレベルが揃っているということが求められます。それと同時に正確性があり、社内で情報の共有や連携がなされているということも大切であることを今回の体験で改めて実感しました。
先日も歯科スタッフの接遇セミナーを実施させていただきましたが、スタッフを送り出される医院の院長は、どの先生も自医院のスタッフの質を高めるために一生懸命です。
スタッフの質を高めるためには、まずは一人ひとりの患者応対の質を高めていくことが重要です。と同時に医院内のコミュニケーションも意識していくことが必要だと思います。
ドクター、歯科衛生士、助手、受付とそれぞれの役割を果たすと同時に、治療室でドクターや歯科衛生士が患者さんに伝えたことが正確に受付に連絡されているか、受付で正しい説明がなされているか、電話で患者さんから聞いた症状や依頼を別の受付スタッフは把握しているか、そして対応するスタッフによって応対や説明に差がないか、など、マナーを高めると同時に意識していただきたいことです。
患者満足度を上げ、選ばれる歯科医院になるためには、ドクターだけでなく、医院内のスタッフが一丸となって考え、工夫していくことが必要ですね。

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