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第56回(163号)

ハイレベルな対応を目指すには

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター 伊藤 純子

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ASSISTANT ASSISTANT

ハイレベルな応対を目指すには

株式会社ロングアイランド 接遇マナーインストラクター伊藤 純子

ある歯科医院に自費治療のカウンセリングの予約をとるため、電話を入れました。こちらの医院では自費治療の予約は担当を別にされているらしく、そちらに電話を回していただきました。
当日、受付で名前を伝えたのですが、受付スタッフはピンとこず困惑した表情で探していました。私も『日時を間違えたんだろうか…』と少し不安になり、様子を見守っていましたが、結局カウンセリング担当に連絡されたようです。
受付左側のエリアからスタッフが出てきて対応してくれました。明るい表情とやわらかい話し口調がとても印象的な方で、「○○様ですね。お待ちしておりました。どうぞこちらでお待ちください」と、待合室の椅子に案内され待っていると先程のスタッフが、「ただいまご用意しておりますので、少しお待ちください」と言い、続けて、「場所はすぐにお分かりになりましたか?」「今日はどちらからいらしたのですか?」などと日常会話で和ませてくれ、受付で感じた不安な気持ちもすっかり消えていました。
立ち居振る舞い・気配りもスマートで、洗練された雰囲気を感じました。このスタッフは、身だしなみも整っており、清潔感のある明るい自然なお化粧です。きっとしっかりと教育されているのだなと感心しました。
カウンセリングが終わり、再度、待合室で待っていると、ふと受付の様子が目に止まりました。その歯科医院は受付を中心に、向かって右が保険治療のエリア、左側が自費治療のためのエリアに分かれているようです。暇な時間帯であったせいか、受付スタッフは隣のスタッフと雑談をしていましたが、患者さん達の居る待合室からその様子はよく見えていました。カウンセリングエリアのスタッフがとても感じよかっただけに、少し残念に感じました。
最近は自費治療を重視する歯科医院が増えてきているようです。その対応として自費治療と保険治療の患者さんの部屋を別々にしたり、受付スタッフ・歯科助手・歯科衛生士とで、ユニフォームや身だしなみの規定を変えるなど工夫をされている医院もあります。自費治療の顧客を意識して、ハイレベルな応対ができるようにすることは大切なことでしょう。
しかし、カウンセリング担当のスタッフだけ、受付のスタッフだけを強化しても、医院全体の印象はアップするでしょうか? たとえ担当部署を分けていたとしても、どの患者さんも同じ入り口から入り、まず受付のスタッフと話をします。そして治療を受け、帰っていきます。この一連の流れにおいて、接するすべてのスタッフの印象がその歯科医院の印象となるのです。
ある自費治療専門歯科医院の受付スタッフは、髪形は比較的自由で爪もメイクも華やかです。受付は医院の顔なので、明るさ、洗練された雰囲気を重視なさっていると思われます。これは院長の方針だそうです。ただ、スタッフのひとりの話によると、“最近は全体的にお化粧や髪形がエスカレートしてきていて、何が正解なのか不安になってきている…”とのことでした。ハイレベルな対応とは単にスタッフの見かけを華やかにすること、とは少し違うと思います。

例えば、一流ホテルのスタッフ、航空会社のキャビンアテンダントはどうでしょうか? お化粧や髪形、身だしなみはきちんとしていますが、決して派手ではありません。マニュキュアはしていますが、自然な肌なじみの良い色で整えられています。清潔感、明るさがあり、品位を感じる方が多いと思います。
医療に関わるお仕事をされている皆さんの職場においても同様だと思います。
明るく洗練された印象を向上させるためには、メイクや爪、髪形を整えておくことはもちろん必要ですが、決して派手にするのではなく、清潔感、好印象を基準に考えていくこと、そして何よりその立ち居振る舞いや言葉遣いのスマートさ、心配りや機転の利く対応を磨くことが大切ですね。
患者接遇セミナーに参加される歯科衛生士、歯科助手の方で、ジェルネイルをしている方、ラインストーンがついている方、耳に3つもピアスが並んでいるという方を見かけることがあります。仕事の場面では、役割上患者さんの口に触れることもあります。いくらゴム手袋をするとはいえ、爪やラインストーンで手袋が破れたり、患者さんにあたるかもしれません。またそれを見た患者さんはどう感じるでしょうか? 仕事の内容、役割を考えると、髪形や指先の身だしなみはそれにふさわしいルールが必要ですね。
同じ医院の中においても、役割が違えば、求められることも違って当然です。それぞれの役割に合わせ、求められること、身だしなみを区別し、医院全体の印象を統一した上で、さらに気配り・接遇レベルを向上させていくことが必要でしょう。
今一度、自身の役割、医院の方針に合わせたふさわしい身だしなみ、対応とはどうあるべきかを考えてみてはいかがでしょうか。

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