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第73回(180号)

キャンセル率を意識していますか?

株式会社ロングアイランド 接遇マナー講師 伊藤 純子

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キャンセル率を意識していますか

株式会社ロングアイランド 接遇マナー講師伊藤 純子

皆さんのクリニックではキャンセル率や継続率をチェックしていますか?せっかく時間を空け待っているのにキャンセルされてはその間の時間が無駄ですし、売り上げにも響きます。もちろん変更は仕方ありませんが、直前の連絡ではやはりその時間が無駄になってしまいます。さらに無断キャンセルでその後来院しなくなるというのは注視すべき問題です。
一般的歯科医院のキャンセル率は平均10%ぐらいだそうです。一日当たり50件の予約がある歯科医院の場合、一日5件のキャンセル。一名あたりの治療費が保険診療で5,000円とすると、一日25,000円の損失ですね。一か月にすると20日間稼働とするとなんと50万円の損失です。これが自費であればさらに損失は大きくなります。
キャンセル率は歯科医院によって違いますし、担当制であれば、ドクター、歯科衛生士によっても違います。その違いはどんな要因から生じているのかについて考えてみました。
① 信頼関係ができているか
無断キャンセルが多いクリニック、ドクター、歯科衛生士は率直に言って患者さんとの信頼関係が築けていないのかもしれません。例えば大切な友達との約束を無断キャンセルすることはないですよね。担当ドクターや担当歯科衛生士と信頼関係が築けていれば、安易にキャンセルするようなことはなくなるでしょう。同じキャンセルであっても連絡があった場合はまだよいのですが、連絡がない場合は信頼関係が築けていない可能性があります。
治療することが目的ではありますが、その前にまず、その患者さんとの良い関係を築くことを重視してください。良い関係ができてくれば、簡単にキャンセルすることは少なくなるでしょう。
もう一つ重要なことは信頼関係を崩さないということです。
下記は歯科医院の口コミサイトに書かれていたことなのですが、「最初は丁寧に説明してくれたが、最近は雑になってきた気がする」「メインテナンスに行くたびに磨けていないところを指摘される、自分ではやっているつもりなのに行くたびに注意されるようでストレスになってきた」「メインテナンスの終了後にもらう指導シートに、やっていないことや聞いていないことを“指導しました”と書かれていた。いい加減だなと思った」など。
 せっかく意欲をもって通っていた患者さんが途中でドクターや歯科衛生士に不信感を持ち始めたということです。

② 患者さんにとって優先順位が高いかどうか
完治後メインテナンスに1,2回来院しただけでその後、通わなくなってしまう患者さんもいるかと思います。またせっかく取っていた予約を頻繁に変更キャンセルする患者さんもいます。
その理由はいくつかあると思いますが、一つはその患者さんにとってメインテンス、治療の継続はそれほど重要ではないということです。
もしその患者さんがメインテナンスの重要性をしっかりと理解し重視していれば、通院することに対する優先順位は高くなり、別の日程を取って通ってくれるはずです。
そのためには初診カウンセリング時、治療途中、完治後にメインテナンスの重要性についてしっかりと説明し理解してもらうことが必要です。
患者さんが自身の歯の健康、ケアを重視していれば、生活の中での優先順位は上がり、安易なキャンセルをすることはなくなるはずです。
③ 患者さんにとって心地よい空間かどうか
患者さんが治療やメインテナンスの重要性は理解していたとしても、クリニックが殺伐とした空間や事務的な対応だったりすると、通院することやクリニックで過ごす時間をストレスに感じてしまいます。そろそろ予約しなければいけないと思ったときに、ストレスを抱えてたとしたら、予約をすることが億劫に感じてしまうのです。
治療に通う患者さんは様々な不安や痛みを抱えています。
そんな状態でクリニックに行ったときに、薬品の嫌な匂いがする、待合室のソファが古びている、化粧室の洗面ボールが汚れていて水が飛び散っている、そんな些細なことが患者さんにはストレスになるかもしれません。
また黙って待っている患者さんの耳は思いのほか、様々な音に敏感になっています。スタッフ同士の会話の内容、声の大きさ、院長がスタッフに対する指示の仕方、言葉遣い、器具を無造作に扱う音、スタッフが歩くバタバタとした靴の音、これらの音も不安を抱えて待っている、チェアで寝かされている患者さんにとってはかなりのストレスの原因になるのです。
清潔感があり、匂い、音、話し声に配慮された空間であることは患者さんの気持ちをリラックスさせ居心地をよくすることにつながります。
患者さんに良い治療・メインテナンスを提供するためには優れた技術・最新の設備、分かりやすい説明が必要であることはもちろんです。しかし最も必要なのは患者さんが治療やメインテナンスに積極的に参加しようというモチベーションなのです。モチベーションを下げるような要因に心当たりはありませんか?
いつの間にか来なくなった患者さんがいる、最近キャンセルが増えてきていると思ったら一度これらの要因をチェックしてみてください。

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