株式会社ロングアイランド 接遇マナー講師伊藤 純子
皆さんの歯科医院では患者対応の言葉遣いやマナーはどのように指導していらっしゃいますか?
“院長や先輩が現場で気になった時に指導している”、“個別に外部の公開セミナーに参加している”などがほとんどのようです。とはいえ、院長やリーダーも何が正解なのか、どう指導すればよいかわからない、と頭を悩ませているのではないでしょうか。
先日ある歯科医院のチーフから相談を受けました。院長からスタッフの接遇マナーに改善が必要ではないかと言われたそうです。
この歯科医院は開業4年目で、当初は3~4名でのスタートでしたが、現在は総勢11名と着実に増え、明らかに組織が大きくなってきており、活気が感じられるようになりました。規模が大きくなったこの時点で相談を受けたのは良いタイミングだと思いました。
組織が大きくなるということは?
開院当初の少人数の組織であれば、お互い他のスタッフの対応を参考にしたり、合わせていくことはできます。しかし人数が増えてくるにつれ、対応の仕方を平準化していくことが難しくなり、人によって違いが出てきます。
スタッフそれぞれの資質やそれまでの仕事経験も違うので、身ついているマナーや対応の仕方が違って当然です。しかし患者さんが接したスタッフの対応(言葉遣いやマナー、治療の進め方、メインテナンスの進め方など)に違和感を感じたとしたら、それは歯科医院への不信感につながります。
患者さんから「メインテナンスは今の人から別の人に変えてほしい」と要望が出ることで歯科衛生士や歯科医師の予約状況に偏りが出てしまうことになります。このような状況では、たとえ患者さんの受け入れ態勢が整っていたとしても効率よく予約を回すことはできません。
接遇レベルのばらつきによる影響
スタッフの接遇レベルにばらつきがある場合、良い方向に影響を受けていくと全体のレベルは良くなっていきます。しかし何も対策をせずにいると、悪い方向に流れてしまいます。その結果歯科全体の印象は悪くなってしまいます。
さらに接遇レベルの低下は次のような影響が出ると考えられます。