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第76回(183号)

新人指導、教え方のコツ 〜指導はコミュニケーション〜

株式会社ロングアイランド 接遇講師 伊藤 純子

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新人指導、教え方のコツ
~指導はコミュニケーション~

株式会社ロングアイランド 接遇マナー講師伊藤 純子

多くのクリニックでは4月入社時だけでなく、中途入社のスタッフも受け入れていることが多いので、クリニックによっては3、4ヵ月から半年ごとに新人の指導をしていることもあるようです。
前回こちらのコーナーで「指導の土台作り…新人を指導するうえで必ずおさえてほしいこと」についてお伝えしました。
新人が入るたびに指導役を任されるスタッフが決まっている場合は、ある程度教え方のコツをつかんでいるかもしれませんが、実際、きちんと指導の計画を立てずに、その場その場で断片的に教えているクリニックもあるようです。
「〇〇はこうして」と断片的に思いついたようにその時の作業だけを教えるやり方だと、新人は、言われたことをただこなす、いわゆる“指示待ち人間”になるかもしれませんし、流れ作業になってしまう恐れがあります。
新人の指導をする際にはきちんと計画を立て、何から教えていくのか、いつ、どのように教えていくのかを準備して指導に臨むことが大切です。
前回に続き、新人指導する際の教え方のコツをお伝えします。参考にしてみて下さい。

①仕事の目的や意味、全体の流れを伝える

新人が自分で考え、その目的や意味に気付くのは難しいことです。
指導係は作業の細かい指示をする前に、“何のためにこれをするのか”“どう影響するのか”など仕事の全体の流れや目的、意味をしっかりと伝えていきましょう。また、その作業の相手は“患者さん”であるということも忘れてはならないことです。作業に夢中になり、患者さんがどう感じているかを忘れがちです。患者さんの表情や様子を気にかけながら行うこともしっかりと伝えていきましょう。

②改善に向けて改善策を考えさせ、フォローをする

新人が失敗をしてしまったとき、指摘をするだけではなく、「何が問題なのか」「そのミスはどう影響するのか」を考えさせることはもちろんですが、次からミスをしないためにはどうすればよいのかという改善策を考えさせましょう。
もちろんその通りにさせるという意味ではなく、そのスタッフの習熟度に合わせて考えるヒントを与え、自身で答えをだせるよう、フォローしていきます。一方的に伝えるだけでなく、自身の言葉で説明をさせると、理解しているつもりでも理解不十分であったことに気づきます。①の“仕事の目的や意味をしっかりと伝える”をきちんと行っていれば、答えは出てくるはずです。

③できていること、成長していることを見つける

新人は何も知らずに入ってくるので、自分のやっていることが「できているのかどうか、これで役に立つのだろうか」と不安でいっぱいです。ところが、できていないところばかりに目が行ってしまい、ある程度できるようになっても、「できて当たり前」と考えていて、何も評価をしてあげない先輩や院長がいらっしゃいます。
新人にとっては、一生懸命やっているのに注意ばかりされていては「頑張ってやってみよう!」と思えないどころか、萎縮したり、やる気も失せてしまうかもしれません。注意したいことがあったら、必ずできていること、成長したことを見つけ、褒めてあげてください。
注意されたことを改善点として前向きにとらえるためには肯定されることが大切です。
「〇〇は最近スムーズにできるようになったね」「今度はちゃんとできていたよ」「患者さんへの挨拶が明るくなったね」など、ちょっとしたことでも褒めてあげてください。作業のスキル以外のことでも良いのです。これは担当の教育係だけでなく、院長やドクター、先輩スタッフも心がけていただきたいことです。この何でもないと思える声掛けをすることで、離職を防ぐことにつながります。

④一人ひとりが個性、異なる考え方を持っていることを理解する

新人スタッフ一人ひとり、性格や考え方、経験は違います。1つ、2つを伝えただけで、10を理解する人もあれば、10を繰り返し伝えないと理解できない人もいるでしょう。
同じ指導の仕方をしても成長のスピードや習熟度は違って当然です。もちろん一人にかかりっきりになるのは難しいので、本人の努力を促すことも必要ですが、「自分が新人の時はこうしていた」と自分のやり方を押しつけても受け入れられるとは限りません。まずは新人を理解することから始め、その新人に合った指導方法を考えていきましょう。
このように指導とは相手ありきのコミュニケーションです。
患者さんのカウンセリングに入る時と同様、新人の指導においても準備をして指導に臨むことが必要です。新人は仕事を覚える不安だけでなく、職場に馴染めるかどうか、という不安も抱えています。その不安を聴き出してください。不安なことを伝えやすい環境を作ることも必要です。
患者さんがそうであるように、スタッフもいろいろな性格を持ち合わせています。相手を理解し、相手に合わせた指導、コミュニケーションを図っていってください。

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